学生の92%がAIを使い、65%が「学びが浅くなる」と不安。ある調査が映す「使えるけど自信はない」【2026年6月】

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学生の92%がAIを使い、65%が「学びが浅くなる」と不安。ある調査が映す「使えるけど自信はない」【2026年6月】 インフォグラフ

ある大規模な学生調査で、回答した学生の92%がAIを利用していると答えた一方、65%が「AIで学びが浅くなり、批判的思考が損なわれるのではないか」と懸念していることがわかりました(出典: Digital Education Council「Global AI Student Survey 2026」, 2026-03-13公表)。使う人がほぼ全員、なのに使っている当人の3人に2人が「これで本当に頭を使えているのか」と不安を抱えている。本記事は2026年6月時点の報道に基づいて、まずこの数字の「出どころ(誰を対象に測ったのか)」をはっきりさせ、そのうえで「使えるけど自信はない」という両義性を、AIを使い始めた初心者の方と一緒に噛み砕いていきます。先に大事な前提を一つだけ。この調査の対象はラテンアメリカの高等教育の学生で、「世界の学生全体」の数字ではありません。ここを外すと、数字が一人歩きします。

この記事のポイント

  • ある学生調査(Digital Education Council, 2026-03-13公表)で、回答した学生の92%がAIを利用(2024年の86%から+6ポイント)(出典: DEC 2026)
  • 67%が日次または週次でAIを利用している(出典: 同上)
  • 一方で65%が「学びが浅くなる・批判的思考が損なわれる」と懸念。使う当人が副作用を一番気にしている(出典: 同上)
  • 68%が教育でのAI利用に肯定的73%が将来の仕事でAIを使うと予想。普及・期待と不安が同居している(出典: 同上)
  • ツールはChatGPTが頻繁利用者の88%で突出(出典: 同上)
  • 重要な前提:この調査の対象はラテンアメリカの高等教育の学生。正確なサンプルサイズ・国別内訳は報道概要では未明示。「世界の学生全体」に広げない(出典: 同上・範囲に注意)
  • 65%は学生の「懸念(不安に思っているか)」であって、「実際に学力が下がった」という測定結果ではない

まず「誰を対象に測ったのか」を押さえる

このニュースを読むうえで最初のポイントは、数字そのものより「誰を対象に測ったか」です。

今回の主な数字は、Digital Education Council(DEC)という団体が公表した学生調査「Global AI Student Survey 2026」(2026年3月13日公表)に基づく。そして報道によれば、この調査の対象はラテンアメリカの高等教育の学生です(出典: DEC 2026)。日本の学生でも、世界の学生全体でもありません。正確なサンプルサイズや国別の内訳は、報道概要では明示されていません。

ですので本記事では、「世界の学生の92%が」とは書かず、「この調査に回答した学生の92%が」という範囲で数字を扱います。地域や年齢層が違えば数字は動きます。あくまで「ある大規模調査が映した一つの断面」として読むのが安全です。なお、英国のHEPI(高等教育政策研究所)も2026年に同種の調査を出しており、似た傾向(普及と不安の同居)が報告されていますが、対象や設問が異なるため、本記事では具体数値は主軸のDEC調査に絞り、HEPIは「同様の傾向が報じられている」程度に留めます。

数字の二面性:92%が使い、65%が不安

一見すると、ふたつの数字はぶつかって見えます。

回答 割合 補足
AIを利用している 92% 2024年は86%(+6ポイント)
日次または週次で利用 67% 頻度ベース
「学びが浅くなる」と懸念 65% 批判的思考への不安
教育でのAI利用に肯定的 68%
将来の仕事でAIを使うと予想 73%

(出典: DEC 2026)

ここで数字の扱いとして二つ、念を押しておきます。

一つ目。これらの%は足し引きできません。「92%が使い、65%が不安」は別々の設問への回答比率で、同じ一人が「使っているし、不安でもある」と両方に入りえます。矛盾ではなく、同じ人の中で普及と不安が同居していると読むのが自然です。

二つ目。「+6ポイント」を「6%増えた」と読まない。86%が92%になったのは「割合の差(パーセンテージポイント)」が6あるという意味で、利用者が6%増えたという話ではありません。細かいようですが、数字の意味づけがずれると印象が変わります。

「学びが浅くなる」は不安であって、学力低下の測定ではない

もう一つ、丁寧に分けておきたい点があります。

65%という数字は、学生が「AIで学びが浅くなるのではないか」と懸念しているという、本人たちの感じ方(perception)です。「AIを使った学生の学力が実際に下がった」という測定結果ではありません。主観(不安)と実証(測定)は別物です。

ただ、この「使っている当人が一番その副作用を気にしている」という構図は、それ自体が興味深い。便利な道具を手にした人ほど、「これで自分の頭を使わなくなっていないか」と振り返る。普及が進むほど不安も濃くなる、という逆説が、この調査には映っています。

道具の有無ではなく「使い方」の問題

ツールの内訳を見ると、ChatGPTが頻繁利用者の88%で突出しています(出典: DEC 2026)。Gemini や NotebookLM、Grok、Claude などが続きますが、首位は一強です。

ここから見えてくるのは、問題が「ツールを持っているか否か」ではなくなったということです。もう大半の学生が同じような道具を手にしている。だとすれば、差がつくのは「どう使うか」のほうです。答えをそのまま写すために使うのか、それとも自分の考えを深める相棒として使うのか。同じChatGPTでも、その使い分けで学びの中身は変わってきます。65%の不安は、裏返せば「使い方を間違えれば学びは浅くなりうる」という、当人たちの健全な警戒心とも読めます。

「便利さ」と「信頼」は別々に進む

調査には、評価や採点に関する温度差も出ています。

  • 50%が「教員が課題のフィードバックにAIを使うこと」は支持する(出典: DEC 2026)
  • 一方で、56%がデータプライバシーを懸念し、56%がAIによる評価の公平性に疑問を持っている(出典: 同上)

「フィードバックを手伝ってもらう」のは半数が受け入れる。けれど「AIに採点される」ことや、自分のデータの扱いには慎重になる。便利さを受け入れることと、信頼して全部を委ねることは、別々の問題として並走しているのです。これは、出会いの場面でAIに「準備は任せても核心は任せない」という線引きが見られた件(AQ-040)とも、構図が地続きです。場面は違っても、「どこまでなら任せていいか」という線引きを、人は無意識に引いています。

日本の読者(AI活用初心者)にとっての意味

最後に、これは学生だけの話ではありません。

「使えるけど、これで本当に自分の頭を使えているのか」という不安は、仕事でAIを使い始めた人すべてに共通します。普及と不安は対立せず、同時に進む。だとすれば、問いは「使う/使わない」ではなく、「考える部分は手放さない使い方をどう設計するか」に移ります。下書きや調べ物は任せても、最後の判断や、なぜそう考えるのかの筋道は自分で持つ。この調査の65%は、その線引きを各自が引く番になっている、という合図のようにも読めます。

なお、繰り返しになりますが、この数字はラテンアメリカの高等教育の学生を対象にした一調査のものです。日本やほかの地域にそのまま当てはまるわけではない、という前提を置いたうえで、「普及と不安が同居する」という構図のほうを受け取るのが、誠実な読み方だと思います。

まとめ(FAQ)

Q. 「学生の92%がAIを使っている」って、世界中の学生の話?
A. いいえ。これはDigital Education Councilの調査(2026-03-13公表)で、対象はラテンアメリカの高等教育の学生です。正確なサンプルサイズや国別内訳は報道概要では明示されていません。「世界の学生全体」に一般化するのは避けるのが安全です(出典: DEC 2026)。

Q. 92%が使っているのに65%が不安なのは矛盾では?
A. 矛盾ではありません。別々の設問への回答で、同じ人が「使っているし、不安でもある」と両方に入りえます。普及と不安が同居している、と読むのが自然です(出典: 同上)。

Q. 「+6ポイント」は「6%増えた」ということ?
A. 違います。2024年の86%から92%へ、割合の差が6ポイントあるという意味で、利用者が6%増えたという話ではありません。

Q. AIを使うと学力が下がるの?
A. この調査が示すのは学生の「懸念(不安に思っているか)」であって、学力が実際に下がったという測定結果ではありません。主観と実証は分けて読む必要があります。

Q. 結局、どう使えばいいの?
A. 問題はツールの有無より「どう使うか」です。下書きや調べ物は任せても、判断や考えの筋道は自分で持つ。「考える部分は手放さない使い方」を各自が設計する段階に入っている、という整理になります。

Quotidia の視点

Quotidiaがまず置きたいのは、数字より「誰を対象に測ったか」です。この92%・65%は、ある団体(Digital Education Council)が2026年3月に公表した学生調査のもので、対象はラテンアメリカの高等教育の学生です。世界の学生全体の数字ではありませんし、正確なサンプルサイズや国別内訳も報道概要では明示されていません。だから「学生はもうほぼ全員AIを使う」と一般化せず、「ある大規模調査に答えた学生の92%が使い、65%は学びが浅くなることを恐れている」という事実の幅のまま受け取るのが誠実だと考えます。そのうえで興味深いのは、普及と不安が矛盾ではなく同居している点です。使う当人が一番、副作用を気にしている。便利な道具を手にした人ほど「これで自分の頭を使わなくなっていないか」と振り返る、という逆説です。もう一つ大事なのは、65%は学生の「懸念」であって「学力が下がった」という測定結果ではないこと。主観と実証は分けて読みたいところです。そして、この問いは学生だけのものではありません。仕事でAIを使い始めた人すべてに、「使えるけど自信はない」は当てはまります。問いは「使う/使わない」ではなく、「考える部分は手放さない使い方をどう設計するか」へ移っている。下書きや調べ物は任せても、最後の判断と、なぜそう考えるのかの筋道は自分で持つ。普及がほぼ完了したいまだからこそ、その線引きを各自が引く番になっている、とQuotidiaは考えます。

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