ChatGPT以降のウェブページ、3分の1超に「AI執筆の兆候」。Pewが英語49万ページを実測した
ChatGPT以降のウェブページ、3分の1超に「AI執筆の兆候」。Pewが英語49万ページを実測した【2026年8月】

米国の調査機関Pew Research Centerは現地時間2026年8月20日(木)、AIが書いたとみられる文章がウェブにどれだけ広がっているかを実測した調査結果を公表しました。ChatGPTが公開された2022年11月より後に公開された英語ページのうち、3分の1超に「AI執筆の兆候」が見られた、という内容です (一次はPew Research Centerの公表レポートと方法論ページ)。強い数字ですが、そのまま「ウェブの3分の1がAI製」と読むと誤りです。同じ調査で、2026年7月に収集した直近のサンプルでは、公開時期を問わず兆候のあるページは10%。対象は英語のページ約49万件で、日本語のウェブは含まれていません。同じ発表の中に、母集団の違う数字が2つ並んでいます。取り違えると、話の大きさが3倍以上変わります。
この記事のポイント
- Pew Research Centerが現地時間2026年8月20日(木)、英語ウェブページの実測調査を公表した。ChatGPT公開 (2022年11月) より後に公開されたページのうち、3分の1超にAI執筆の兆候
- 2026年7月に収集した直近サンプルでは、公開時期を問わず10%。「ウェブ全体の3分の1」と読むのは母集団の取り違え
- 対象は英語ページのみ。サンプルは、ウェブ収集の非営利プロジェクトCommon Crawl由来の約49万件 (2021年1月〜2026年7月) で、日本語のウェブは測られていない
- 検出されたのは「兆候」であって「AIが書いた」という断定ではない。判定は機械学習モデルOpen Pangramの推定で、誤分類の可能性はPew自身が明記している
- ドメイン別 (2026年7月収集分) は.comが約10%、.orgが4.6%、.eduと.govは約1%。ウェブのどこを見るかで混ざり方は大きく違う
2つの数字と、2つの母集団
調査のサンプルは、ウェブページを大規模に収集・保存し、無償で公開している非営利プロジェクトCommon Crawlから集めた、2021年1月から2026年7月までの英語ページ約49万件です。ここに、文章の特徴からAI執筆の兆候を推定する機械学習モデルOpen Pangramをかけて、兆候のあるページの割合を数えました。
表: 同じ調査の2つの数字
| 数字 | 母集団 |
|---|---|
| 3分の1超 | ChatGPT公開 (2022年11月) より後に公開された英語ページ |
| 10% | 2026年7月に収集した英語ページ全体 (公開時期を問わない) |
新しく生まれるページに限れば3本に1本以上、2026年7月に集めたページ全体で数えれば10本に1本。どちらも同じ調査の本物の数字で、指している範囲だけが違います。見出しとして独り歩きしやすいのは3分の1のほうですが、それはあくまで「ChatGPT以降に生まれたページ」の話です。裏を返すと、この2つの数字の開きそのものが、AIの文章がこの数年で急速に増えたことを示しています。古いページを含めると10%まで薄まる割合が、新しいページに限ると3倍以上に濃くなるからです。
「AIが書いた」ではなく「AI執筆の兆候」
本記事が一貫して「兆候」と書いているのには理由があります。判定に使われたOpen Pangramは、文章の特徴からAI執筆の可能性を推定する機械学習モデルで、Pewは方法論のページで誤分類の可能性を自ら明記しています。つまりこの調査は、個々のページについて「これはAIが書いた」と断定するものではなく、大きな集計として傾向を測る設計です。この留保を落として紹介すると、紹介のほうが調査より強いことを言ってしまいます。
もう1つ、線引きの難しさもあります。人がAIの下書きに手を入れた文章。AIが人の文章を整えた文章。実際のウェブの文章の多くは、「人が書いた」と「AIが書いた」のあいだのどこかにあります。「兆候」という言葉の距離感は、この実態とも整合的です。
ドメインで違う風景
ウェブアドレス末尾の区分 (トップレベルドメイン) ごとに見ると、割合は大きく変わります。
表: ドメイン別の「兆候あり」の割合 (2026年7月収集分)
| ドメイン | 割合 |
|---|---|
| .com (商用) | 約10% |
| .org (非営利など) | 4.6% |
| .edu (教育機関)・.gov (米政府機関) | 約1% |
商用のドメインで高く、教育・行政のドメインでは約1%にとどまります。ウェブのどこを歩くかで、AIの文章に出会う頻度は大きく違う、という風景です。
日本の読者にとっての意味
持ち帰れることは3つあります。1つ目は範囲です。これは英語ページの実測で、日本語のウェブは測られていません。「日本も同じだろう」とも「日本は違うだろう」とも、この調査からは言えません。
2つ目は引用の仕方です。「ウェブの3分の1がAI製」という言い方は、母集団 (ChatGPT以降の英語ページに限った数字であること) と断定 (兆候を「AI製」と言い切ること) の2段階で不正確になります。引用するなら「ChatGPT以降に公開された英語ページの3分の1超にAI執筆の兆候 (Pew実測)」までを1セットにするのが安全です。
3つ目は、AIの文章が「例外」ではなく「実測の対象」になったことです。この調査が測ったのは混ざっている割合であって、個々のページの良し悪しではありません。なお、当サイトもAIで記事を作っている媒体です。今回の対象は英語ページなのでこのページ自体は数えられていませんが、同じ物差しが日本語のウェブに向けられれば、兆候ありの側に数えられる立場です。
まとめ(FAQ)
Q. ウェブの3分の1はAIが書いている?
A. その言い方は2つの点で不正確です。3分の1超はChatGPT公開 (2022年11月) より後に公開された英語ページに限った数字で、公開時期を問わない直近サンプル (2026年7月収集) では10%。また検出されたのは「AI執筆の兆候」で、「AIが書いた」という断定ではありません。
Q. 日本語のサイトも調べられた?
A. いいえ。対象はCommon Crawl由来の英語ページ約49万件 (2021年1月〜2026年7月) で、日本語のウェブは含まれていません。
Q. 「兆候」とはどういう意味?
A. 機械学習モデルOpen Pangramが文章の特徴から推定した結果、という意味です。誤分類の可能性はPew自身が方法論で明記しており、個々のページの断定には使えません。
Q. どこで多く、どこで少ない?
A. 2026年7月収集分のドメイン別では、.comが約10%、.orgが4.6%、.eduと.govは約1%です。商用ドメインで高く、教育・行政のドメインでは低い分布でした。
検証メモ(出典と確認の範囲)
- 一次資料はPew Research Centerの公表レポートと、対になる方法論ページ (https://www.pewresearch.org/data-labs/2026/08/20/methodology-ai-content/) です。2026年8月21日(金)に両ページを確認しています。
- 数字の帰属: 「ChatGPT公開 (2022年11月) より後に公開された英語ページの3分の1超」「公開時期を問わない2026年7月収集分のサンプルでは10%」「サンプルはCommon Crawl由来の英語ページ約49万件 (2021年1月〜2026年7月)」「ドメイン別は.com約10%・.org 4.6%・.edu/.gov約1%」は、いずれも上記レポートと方法論ページに基づきます。
- サンプルの構造: 2021年1月〜2026年7月の49回のクロールから各1万ページを無作為抽出したものです (計約49万件)。本文の10%とドメイン別の数字は、2026年7月クロール分の集計です。
- 「3分の1超」の正確な値は35% (2026年7月クロール分のうち、ChatGPT公開以降に公開されたページに対する割合) です。ページの公開日はHTML上の日付フィールドから判定されており、公開日を取得できるのはクロールの1〜1.5割程度です。
- 判定は機械学習モデルOpen Pangramによる推定で、誤分類の可能性はPew自身が明記しています。このため本記事は全体を通して「AIが書いた」ではなく「AI執筆の兆候」と表記しています。
- 対象は英語ページのみで、日本語のウェブに関する数字はこの調査にはありません。
- 当サイトはAIを使って記事を制作している媒体です。本記事の主題と立場が重なるため、その旨をここに明記します。
- 日付は、海外の発表は現地時間で記載しています。
Quotidia の視点
ウェブにAIの文章はどれくらい混ざっているのか。印象と体感で語られてきた問いに、Pewが実測の数字を置きました。ChatGPT以降に公開された英語ページの3分の1超、2026年7月収集の直近サンプルでは10%。この2つを分けたまま持ち帰れるかどうかが、この調査の読み方のほぼすべてです。あわせて、これは告発ではなく計量だという点も外せません。調査が数えたのは文章の兆候で、良し悪しも、AIの利用を明かしているかどうかも測っていません。「3分の1も汚染された」と読むのも「まだ10%だ」と読むのも、数字に気分を足した読み方です。当サイトの記事も、AIを使って作っています。同じ物差しが日本語のウェブに入れば、兆候ありの側に数えられます。その立場を明記したうえで言えるのは、2つの数字の開き方からみて、これが更新のたびに大きくなる可能性の高い側の数字だということです。読む側の前提は「AIかどうか」から「どの母集団の、いつの数字か」へ移っていきます。引用の前に母集団を確かめる癖が、この調査のいちばん実用的な持ち帰りです。
関連記事:
- Claudeの文章に「見えない透かし」が入り始めた。Anthropicが仕組みを公表(AIの文章に「見えない透かし」を入れて見分けられるようにする、印の側の回。今回は印に頼らず、文章の癖から現状の混ざり具合を測った実測の数字)
- 著者の文体を真似たAI文は、最良の検出器でも10%擦り抜ける。それでもSubstackはAI検出を選んだ(最良の検出器でもAI文が10%擦り抜ける、という検出の限界を扱った回。今回の「兆候であって断定ではない」という留保を、検出の側から照らす)
三対一

一合の米には、およそ六千五百粒が入っているという。五キロの袋なら、ざっと二十万粒を超える計算になる。六千五百という数は、いつかどこかで読んだ受け売りで、確かめたことはない。確かめたことのない数字で、僕は毎月おなじ計算をしている。月にいちど、五キロの玄米を提げて、歩いて二十分のコイン精米所へ行く。精米機は一度に十キロまで挽けるが、僕はいつも五キロにしている。理由は特にない。特にない理由を、五年つづけている。食べるぶんだけ白くしたほうが旨いと教えてくれたのは知り合いの店の料理人で、以来、月の終わりの金曜日が精米の日になった。
小屋はブロック造りで、屋根に明かり取りの天窓がひとつ開いている。中はいつも、乾いたぬかの匂いがする。炒る前のきなこに似た、罪のない匂いだ。壁の貼り紙には、ぬかはご自由にお持ちください、とマジックで書いてある。今朝は先客がいた。小学生くらいの女の子がひとり、順番待ちの台に腰かけて、サンダルの足をぶらぶらさせていた。天窓の光が、その足もとに四角く落ちていた。
「じき終わるよ」と女の子が言った。「うちの、三十キロあるから」
外には軽トラが停めてあって、荷台の麦わらの上に、スイカがひと玉、転がらないように据えてあった。大人の姿は見えない。買い出しか何かで、じきに戻るのだろう。
「おじさんは、なんの仕事?」
「調べたり、書いたりする仕事」
「なにを調べるの」
「このごろは、AIのことが多い」
「うちのクラスにも、読書感想文をAIにやらせてバレた子がいるよ。中身がきれいすぎたんだって」
機械は正直な音で回りつづけていた。先週の木曜日、米国のPew Research Centerという調査機関が、ひとつの実測を公表した。二〇二一年からこの七月までの英語のウェブページ、およそ四十九万ページを、文章の癖を見る仕組みにかけた調査だ。ChatGPTが世に出た二〇二二年十一月より後に公開されたページに限ると、三分の一を超えるページに、AIが書いた兆候が見つかった。公開の時期を問わず、この七月に集められたぶんの全体でみれば、兆候のあるページは一割ほど。母数の取り方ひとつで、数字はそれだけ変わる。調査は、AIが書いた、とは言い切っていない。見えたのは兆候で、見立てには間違いも混ざりうると、報告の中で自分から断ってある。
機械が止まると、小屋は急に、ぬかの匂いだけになった。
女の子は台から降りて、出てきた白い米を袋に受けはじめた。三十キロは、五キロずつ六つの袋に分けるのだという。袋の口をきっちり三回折るのが、この子の手癖らしい。六つとも、おなじ三回だった。
「白いね」と僕は言った。
「七分づき。おばあちゃんが、白すぎるのは味気ないって」
「三十キロ、ぜんぶ君が頼まれたの」
「あたしが行くって言ったの。おつかいじゃなくて、仕事」
もうすぐ新米が出るね、と僕が言うと、女の子は袋を折る手を止めずに答えた。
「新米が出たらね、古いのと混ぜて炊くの。三対一。新米だけだと、水加減がむずかしいんだって」
「混ぜたら、どっちがどっちか、わからなくならないか」
「わかんないよ。炊いたら、ぜんぶおなじごはんだもん。でも、三対一は三対一。量ってから混ぜるから」
迎えのクラクションが短く鳴って、女の子は入口で手だけ振って出ていった。五キロの袋は、あとから戻ってきた大人が二往復で運んでいった。大人は僕に小さく会釈をして、女の子とおなじ折り方の袋を、両腕にひとつずつ抱えていた。「帰りにアイス買っていいんだって。当たりつきのやつ」というのが、僕が聞いた最後の言葉だった。
僕の番になって、精米機に百円玉を三枚入れた。おととい、僕は世話になった人への礼状の下書きをAIに頼んでいる。出てきた文面を三割ほど直して、送った。三割、と僕は思っているだけで、数えたわけではない。升を持たずに、割合だけ口にしていたことになる。あの礼状も、どこかの升にかかれば、兆候あり、の側に数えられるのだろう。それが嫌かと訊かれたら、うまく答えられない。ただ、三対一と言い切ったときの女の子の声の確かさを、少し羨ましいと思った。精米機のなかで、僕の二十万粒が音を立てて回っていた。
挽き上がった五キロを持ち上げる。挽きたての米は、炊く前だというのに、袋の底のほうがもう温かかった。
ウェブのAI文章をPewが実測。ChatGPT以降の英語ページの3分の1超に「AI執筆の兆候」
米国の調査機関Pew Research Centerは現地時間2026年8月20日(木)、AIが書いたとみられる文章のウェブ上での広がりを実測した調査結果を公表した。ChatGPTが公開された2022年11月より後に公開された英語ページのうち、3分の1超にAI執筆の兆候が見られた。公開時期を問わない2026年7月収集分のサンプルでは10%だった。サンプルは、ウェブ収集の非営利プロジェクトCommon Crawlに由来する英語ページ約49万件 (2021年1月〜2026年7月) で、日本語のウェブは対象に含まれない。判定は機械学習モデルOpen Pangramによる推定で、誤分類の可能性はPew自身が明記しており、個々のページを「AIが書いた」と断定する調査ではない。ドメイン別 (2026年7月収集分) では.comが約10%、.orgが4.6%、.eduと.govは約1%。母集団の異なる2つの数字が並ぶため、「ウェブ全体の3分の1がAI製」と読むのは誤りとなる。
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