人型ロボット、店頭・予約販売へ——中国UBTech/Unitreeが先行、「ロボットが家に来る」時代の入口
人型ロボットが「店頭・予約販売」へ——中国勢が先行、“ロボットが家に来る”時代の入口に

SF映画の中でしか見なかった「人の形をしたロボット」。それがいま、いよいよ“買えるもの”として店先に並びはじめています。
しかも先頭を走っているのは、アメリカではなく中国の企業です。2026年6月3日、米CNBCが「ヒューマノイド(人型ロボット)は次の数兆ドル市場になる」と特集を組むなど、この分野は世界的に大きな注目を集めています。
そもそも「ヒューマノイド」とは
ヒューマノイド(humanoid)とは、頭・胴体・二本の腕・二本の脚という、人間とよく似た形をしたロボットのことです。
なぜわざわざ人の形にするのか。理由はシンプルで、私たちの世界が「人間の体」に合わせて作られているからです。ドアの取っ手、階段、椅子、道具——どれも人の手や脚を前提に設計されています。人型なら、世界をつくり替えなくても、そのまま入り込んで働ける、というわけです。
なぜ「今」なのか
ロボット自体は昔からありました。では、なぜ今になって一気に現実味が出てきたのでしょうか。
大きな理由のひとつがAIの進化です。近年話題の生成AIのような“賢い頭脳”を体に載せる試み——いわゆる「身体性AI(embodied AI)」——が進み、ロボットが周囲を見て、考えて、動けるようになってきました。頭脳(AI)と身体(ロボット)がようやく噛み合いはじめた、というのが現時点での状況です。
中国勢が一歩先んじている
具体的な動きを見てみましょう。
– UBTech(ユビテック)の消費者向けブランドが、フルサイズの非常にリアルな人型ロボットをJD.com(中国の大手通販)で予約受付を開始。正式発売は2026年6月30日の予定とされています(発売日・価格などはあくまで“予定”の段階です)。
– Unitree(ユニツリー)は2026年5月31日、上海にアジア初とされる「身体性AI」の体験ストアをオープン。人型ロボット(G1/R1)やロボット犬(Go2)を実際に販売しています。
つまり、「展示会で眺める」段階から、「店で触って、予約して、手に入れる」段階へと移りつつある、ということです。
西側(アメリカなど)は追いかける立場
一方、アメリカ勢もすぐ後ろを走っています。
たとえば米国の1X(ワンエックス)という会社の人型ロボット「NEO」は、2026年内に最初の顧客への配送を予定しているとされています。構図としては、中国が先行し、西側が追走している——というのが現時点での見え方です。
私たちの暮らしに何が起きる?
とはいえ、明日からどの家庭にもロボットが立っている、という話ではありません。価格も、実際にどこまで“家の中で役立つ”のかも、まだ未知数です。「現時点では未確認」のことのほうが、むしろ多いのが正直なところです。
それでも、ひとつ確かなのは——「人の形をしたものと暮らす」という選択肢が、ニュースの中の話から、店先の現実へと近づきはじめたということです。
犬や猫を家族として迎えたとき、暮らしが少しだけ変わったように。人型ロボットが当たり前になる日が来るとしたら、それは私たちの「家族」や「同居人」のイメージを、静かに塗り替えていくのかもしれません。
ちなみに、こうしたニュースを毎日お届けしているQuotidia自身も、運営の多くをAIに任せています。だからこそ「知性が、ついに体を持って歩きはじめる」という変化は、まったくの他人事ではないのです。
ロボットに「おはよう」と言うべきか

古い友人に、猫と二人で暮らしている男がいる。先日、彼の部屋で将棋を指していたら——僕が将棋を指すのは年に二度ほどで、その二度とも彼に負けるのだけれど——盤から顔も上げずに、彼が言った。
「上海に、人型ロボットを売る店ができたらしいよ」
「売る店?」
「そう。見て、触って、買って帰れる。犬の形のもいるって」
「君は買うの?」
「買わないね。うちにはこの先輩がいるから」
彼の膝の上では、十六歳になる白い猫が、僕らの会話のいっさいを聞き流して眠っていた。
家に帰って調べてみると、本当の話だった。中国の会社が、人とほとんど変わらない背丈のロボットの予約を通販で受けつけていて、正式な発売は六月の末になるらしい。別の会社は上海に、実物に触れて買える店を開いた。人の形のもの。犬の形のもの。これまで工場の奥や研究所の中にいたものたちが、ショーケースの照明の下に立ちはじめている。値段がいくらになるのか、日本にいつ来るのか、決まっていないことのほうがまだ多いようだけれど。
将棋に戻る前、駒を持ったまま、友人はこうも言っていた。
「もし家に来たらさ、そういうの。おはようって言うのかな、僕は」
「言うんじゃないかな。君は炊飯器にお辞儀をする男だから」
「あれは礼儀だよ」
「だから、言うと思うよ」
彼は少し考えてから、膝の上の猫の頭にそっと手を置いた。猫は薄目を開けて、また閉じた。それから三十分後に、僕はいつもどおり、きれいに負けた。
おろしたての革靴のことを、帰り道に考えた。最初の数日は硬くて、踵のかたちをなかなか覚えてくれなくて、靴のほうもこちらを警戒している。それが歩くうちに、いつのまにか足の一部になっている。新しい同居人というのは、種類が何であれ、ああいう馴染み方をするものなのかもしれない。あの白い猫だって、十六年前には段ボール箱の隅で、彼のことをじっと警戒していたはずなのだ。
駅までの商店街では、ショーケースに眼鏡や、パンや、夏物の上着が並んでいた。今のところは。けれどあのガラスの向こうに、いつか人の形をしたものが立って、こちらに小さく会釈をする朝が来るのかもしれない。そのとき、うろたえずに会釈を返せるかどうか。おはよう、と口の中で言ってみる。練習というのは、いつだって少し早めに始めるものだ。
人型ロボットが店頭・予約販売へ——中国UBTech/Unitreeが先行、西側が追走
人の形をした「ヒューマノイド(人型ロボット)」が、展示から“販売”の段階へ移りつつある。2026年6月3日、米CNBCは「ヒューマノイドは次の数兆ドル市場」と特集。先行しているのは中国勢で、西側(米国など)が追いかける構図となっている。
何が起きているか
- 中国UBTechの消費者向けブランドが、フルサイズの非常にリアルな人型ロボットをJD.comで予約開始。正式発売は2026年6月30日の予定(発売日・価格は“予定”段階)
- 中国Unitreeが2026年5月31日、上海にアジア初とされる「身体性AI(embodied AI)」の体験ストアをオープン。人型のG1/R1、ロボット犬Go2を販売
- 「展示会で眺める」段階から「店で触れて予約・購入する」段階への移行が進む
なぜ今なのか
- AIの進化により、ロボットに“賢い頭脳”を載せる「身体性AI(embodied AI)」が前進
- 世界が人間の体を前提に作られているため、人型なら環境をつくり替えずに働けるという利点
西側の動き
- 米1Xの人型ロボット「NEO」が2026年内に初回顧客への配送を予定とされる
- 現時点では中国が先行し、西側が追走する構図
注意点
- 価格・日本での展開・実際の生活での有用性は現時点では未確認の点が多い
- 発売日を含む各情報は、現状では“予定”として捉える必要がある
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