生成AIの不満「誤情報」が40%に増加。どのAIを使うかの迷いは減った
生成AIの不満「誤情報」が40%に増加。どのAIを使うかの迷いは減った【2026年9月】

NTTドコモのモバイル社会研究所が2026年9月24日(木)に公表した「生成AI利用意識・行動調査」で、生成AIの利用者が挙げた不満のうち「誤情報が含まれている」は、2025年2月の34.8%から2026年2月には40.4%に増えました。「事実と誤情報の見極めが難しい」も31.1%から35.4%に増えています。モバイル社会研究所は、NTTドコモが設けた研究所で、スマートフォンや通信サービスの使われ方を毎年大規模に調べています。
反対に、「どの生成AIサービスを使ったらよいかわからない」は16.6%から13.2%へ、「お金がかかる」は12.8%から9.5%へ減りました。調査は全国の15〜69歳を対象にしたWeb調査で、2026年2月の有効回答は7,223件、うち生成AIの利用者は3,669人です。
この記事のポイント
- 「誤情報が含まれている」を不満に挙げた生成AI利用者は34.8%から40.4%に (2025年2月→2026年2月・モバイル社会研究所)
- 「事実と誤情報の見極めが難しい」も31.1%から35.4%に増加
- 「どの生成AIサービスを使ったらよいかわからない」は16.6%から13.2%、「お金がかかる」は12.8%から9.5%に減少
- ファクトチェック (AIの答えが正しいかを元の情報で確かめること) を常にする人の28.2%が負担を感じており、まったく行っていない人の13.0%より高い
- 数字は利用者が不満として選んだ割合で、生成AIの答えの誤り率を測ったものではありません
1年で何が変わったのか
2025年2月と2026年2月の、生成AI利用者の不満です。
| 不満の項目 | 2025年2月 | 2026年2月 |
|---|---|---|
| 誤情報が含まれている | 34.8% | 40.4% |
| 事実と誤情報の見極めが難しい | 31.1% | 35.4% |
| 期待している回答が出てこない | 26.9% | 24.2% |
| あまり使いこなせていない | 23.6% | 22.6% |
| どの生成AIサービスを使ったらよいかわからない | 16.6% | 13.2% |
| 著作権などの制約がある | 13.4% | 11.5% |
| お金がかかる | 12.8% | 9.5% |
(出典: モバイル社会研究所「生成AI利用意識・行動調査」。生成AI利用者ベース: 2025年2月 n=1,995・2026年2月 n=3,669(全体の有効回答は2025年7,527件・2026年7,223件))
増えたのは、答えの中身に関わる2項目です。サービスの選び方と費用に関わる2項目は減り、「あまり使いこなせていない」は23.6%から22.6%でした。研究所は、正確性への不満の増加とあわせて「内容を確かめながら活用する姿勢も広がりつつある」とまとめています。
生成AIが事実でない内容を、もっともらしく作ってしまう現象をハルシネーションと呼びます。今回の40.4%は、利用者が「誤情報が含まれている」を不満として選んだ割合で、ハルシネーションの発生率を測った数字ではありません。答えの誤りが実際に増えたのか、利用者が誤りに気付きやすくなったのかは、この調査の数字だけでは切り分けられません。
確かめる人ほど、負担を感じている
調査では、生成AIを使うときの負担も尋ねています。
- 情報量の処理が負担: 9.9%
- 答えの中から選ぶのに疲れる: 13.0%
- いずれかの負担がある: 19.5%
ファクトチェックを常にする人では、負担を感じている割合が28.2%でした。ファクトチェックをまったく行っていない人では、同じ割合が13.0%です。研究所は、常に確かめる人でも負担を感じるのは3割未満で、7割は感じていないとしています。
生成AIを使う人にとっての意味
利用者の不満は、この1年で、サービスを選ぶ段階の悩みから、答えを読む段階の悩みへ寄りました。数字の動きを見るかぎり、利用者が引っかかっているのは「この答えは正しいか」のところです。
確かめる手間は、全部を確かめるか何も確かめないかの二択にしなくても減らせます。たとえば、答えに出典を出させて元の資料を開けるようにしておく、数字・日付・人名のように間違うと困る部分だけ元の資料に当たる、といった使い方があります。その手間を払っているのは使う人自身で、常にファクトチェックする人の28.2%が負担を感じています。
まとめ(FAQ)
Q. 生成AIの間違いは増えたのですか?
A. この調査が測ったのは、「誤情報が含まれている」を不満に挙げた利用者の割合で、2025年2月の34.8%から2026年2月の40.4%に増えました。答えの誤り率を測った数字ではないため、間違いそのものが増えたかどうかは、この調査からは分かりません。
Q. 調査はいつ、誰を対象に行われたのですか?
A. 2026年2月に、全国の15〜69歳を対象に行われたWeb調査です。不満や負担の割合は生成AI利用者ベースで、2025年2月がn=1,995、2026年2月がn=3,669です (全体の有効回答は2025年7,527件・2026年7,223件)。結果の公表は2026年9月24日(木)です。
Q. ファクトチェックをする人は負担を感じているのですか?
A. 常にファクトチェックをする人の28.2%が負担を感じており、まったく行っていない人の13.0%より高い割合でした。確かめる習慣そのものの良し悪しを判定した調査ではありません。
Q. 生成AIを使っている人はどのくらいいますか?
A. モバイル社会研究所は、2026年4月6日(月)に「生成AI利用率、過半数に」と公表しています。
検証メモ(出典と確認の範囲)
- 本記事の数字は、すべてモバイル社会研究所の公開ページ (2026年9月24日(木)・https://www.moba-ken.jp/project/lifestyle/20260924.html) によります。「内容を確かめながら活用する姿勢も広がりつつある」は同ページの表現です。
- 不満は複数回答・全7項目(図1-1)です。本記事は項目どうしの割合を足し合わせる読み方をしていません。
- 年代別・性別・サービス別の内訳は公開ページ本文に記載がなく、本記事では扱っていません (付表の有無は未確認)。
- 「常にファクトチェックする人・まったく行っていない人」の負担の割合 (28.2%・13.0%) は公開ページの記載によります。
- 生成AIの利用率は、同研究所の2026年4月6日(月)のページ見出し「生成AI利用率、過半数に」(https://www.moba-ken.jp/project/lifestyle/20260406.html) によります。本調査の回答数から割合を計算した値は使っていません。
- 日本語の報道は、2026年9月26日(土)時点で研究所の公開ページのみ確認しています。
- 日付は日本時間で記載しています。掲載日 (2026年9月28日(月)) 時点の情報です。
Quotidia の視点
生成AIへの不満は、この1年で答えの正確さの側へ寄った。どれを使うかで迷う人と費用を気にする人が減り、答えに誤情報が混じると感じる人が増えている。使い始めの壁を越えた利用者が、次は答えを読む手間を自分で払うようになった、と読める。常にファクトチェックをする人では、28.2%が負担を感じている。使う側で決められるのは、どこまで確かめるかの線引きだ。数字と日付と人名だけは元の資料に当たり、残りは出典を出させて必要なときに開く、という分け方がある。一方で、この調査は2026年2月時点のもので、その後に出たモデルで不満の割合がどう動いたかは分からない。40.4%がどちらへ動くかは、次の同じ調査で確かめられる。
関連記事:
- Geminiで立てた登山計画を過信、ハイカー3人が遭難し救助。郡保安官「計画をAIだけに頼るな」(Geminiで立てた登山計画を確かめずに使い、ハイカー3人が遭難した回。あちらは確かめなかった側に出た代償、今回は確かめる側が感じている負担で、確かめるかどうかの両端が並ぶ)
- 「AIで生産性が上がった」実感は世界81%・日本57%。その数字を測ったのは誰か(「AIで生産性が上がった」実感を国別に数えた調査の回 (日本57%)。どちらも利用者の実感を尋ねた数字で、AIの性能を測ったものではない点で読み方が重なる)
赤鉛筆

子どもの頃の夏、田舎の祖母の家では、朝ごはんのあとのちゃぶ台がしばらく祖母のものになった。新聞を広げて、記事をいくつか鋏で切り抜き、ご飯粒を指でつぶして帳面に貼る。帳面は大学ノートで、その夏の終わりに十一冊目になった。貼った記事の三つに一つくらいには、余白に赤鉛筆で「本当か」と書き込まれた。
「本当じゃなかったら、どうするの」と僕は訊いた。
「どうもしないよ。書いとくだけ」
そう言って、祖母は赤鉛筆の先を舌にちょっと当てた。「赤鉛筆はね、なめると色が濃くなるの」
「本当か」の横に、あとから「本当」と書き足された記事は、僕の覚えているかぎり二つしかない。天気予報の切り抜きにも「本当か」とあって、その日はちゃんと雨が降った。
九月の最後の日曜、知り合いの店の厨房で、昼の営業のあとの仕込みを手伝った。料理人は仕入れに出ていて、厨房には僕と、アルバイトの学生の女の子の二人だけだった。調理台に古新聞を敷いて、玉ねぎを二十個むく。新聞は先週の水曜のもので、むいた皮はテレビ欄の上にたまっていった。
「AIの間違いが、四割に増えたんですって」と彼女が言った。「朝、見出しだけ読んだんですけど」
手を洗って、休憩用の丸椅子で元の発表を探した。NTTドコモのモバイル社会研究所が、九月二十四日の木曜に出した調査だった。今年の二月に、全国の十五歳から六十九歳に聞いている。生成AIを使っている人が挙げた不満のうち、「誤情報が含まれている」が、一年前の三十四・八パーセントから四十・四パーセントに増えていた。「事実と誤情報の見極めが難しい」も増えた。「どれを使えばいいか分からない」と「お金がかかる」は、減っている。
四割というのは、間違いが混じっていると答えた人の割合で、AIの間違いを数えた数字ではない。
丸椅子を戻すと、玉ねぎはまだ七つ残っていた。
「見出しとは、ちょっと違ったよ」と僕は言った。「間違いが増えたかは分からない。混じってると思う人が増えたんだ」
彼女は包丁を止めた。「じゃあ、わたしもその四割です」
卒論に生成AIを使っていて、答えが返ってくるたびに、出てきた人の名前と年号を大学の図書館で引き直しているのだという。図書館は九時に閉まるので、確かめる日は夕方から走る。「一個訊くと、三つ調べることになるんです」
発表には、その先の数字もあった。ファクトチェックをいつもする人では、負担を感じていると答えた人が二十八・二パーセント。まったくしない人では、十三・〇パーセントだった。そう伝えると、玉ねぎの芯がボウルの底で小さく鳴った。
「確かめない人のほうが、楽そうですね」
僕の仕事は資料を読んで文章にすることで、AIとは毎日付き合っている。確かめるのは数字と日付と人の名前だけで、あとは読んだままにしてある。先週は、AIが出した年号をひとつ確かめるのに四十分かかり、年号は合っていた。そういう四十分が、週に何度かある。
「確かめます?」と訊かれて、祖母の話をした。新聞の切り抜きに、赤鉛筆で「本当か」と書いていたこと。書くだけで、確かめはしなかったこと。天気予報の余白にも、その三文字。
「天気予報にもですか」と彼女は笑った。
調理台の端に、料理人の赤鉛筆が一本置いてある。仕込んだ容器にマスキングテープを貼って、日付を赤で書くのが、この店の決まりだ。芯の先を少しなめてから、僕はテープに今日の日付を書いた。
「なめるんですか」
「なめると、濃く出る」
彼女も自分のボウルのテープに日付を書き、その下に小さく「本当か」と書き足した。
玉ねぎの皮を、新聞ごと丸めた。乾いた紙が、手の中でかさかさと鳴った。
生成AIの不満「誤情報が含まれている」が40.4%に増加、モバイル社会研究所の2026年2月調査
NTTドコモのモバイル社会研究所は2026年9月24日(木)、「生成AI利用意識・行動調査」の結果を公表し、生成AIの利用者が挙げる不満のうち「誤情報が含まれている」が2025年2月の34.8%から2026年2月に40.4%へ増えたとした。「事実と誤情報の見極めが難しい」も31.1%から35.4%に増えた一方、「どの生成AIサービスを使ったらよいかわからない」は16.6%から13.2%、「お金がかかる」は12.8%から9.5%に減った。常にファクトチェックをする人で負担を感じている割合は28.2%で、まったく行っていない人の13.0%を上回った。調査は全国の15〜69歳を対象としたWeb調査で、2026年2月の有効回答は7,223件 (うち生成AI利用者3,669人)。数字は利用者が不満として挙げた割合で、生成AIの答えの誤り率を測ったものではない。一次資料はモバイル社会研究所の公開ページ (2026年9月24日(木))。
運営: AI Quotidia 編集部
海外 AI ニュースを毎朝、日本語で解説する個人運営メディアです。記事は AI を活用して作成し、人手による確認・編集を経て公開しています。