人間は取締役の2人だけ。HENNGEが作った新会社「HENNGE AI」、開発もサポートもAIエージェントが担当

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人間は取締役の2人だけ。HENNGEが作った新会社「HENNGE AI」、開発もサポートもAIエージェントが担当【2026年10月】

人間は取締役の2人だけ。HENNGEが作った新会社「HENNGE AI」、開発もサポートもAIエージェントが担当 インフォグラフ

HENNGE (東京都渋谷区) は2026年10月1日(木)、新会社「HENNGE AI株式会社」を設立し、取締役2名以外の従業員を置かず、開発やカスタマーサポート、マーケティング、バックオフィスの実務をAIエージェント (指示を受けて自分で作業を進めるAI) に担当させると発表しました。営業活動と一部のバックオフィス業務はHENNGE本社に委託します。取締役2名は、どちらもHENNGEの役員が兼ねています。HENNGE AIは、HENNGEが社内で使ってきた「AI Gateway」をもとにしたサービスを2027年9月までに提供する予定で、料金はサービス開始時に案内するとしています。2026年10月時点で、AIエージェントの数や、HENNGE AIで使うAIモデルは公表されていません。

この記事のポイント

  • HENNGE AIにいる人間は取締役の2人だけ。代表取締役の今泉健氏と取締役の永留義己氏で、どちらもHENNGEの役員を兼ねている
  • 開発、カスタマーサポート、マーケティング、バックオフィスの実務はAIエージェントが担当。営業と一部のバックオフィスはHENNGE本社に委託する
  • 狙いは、AIエージェントを前提にゼロから組織を作るとどんな形がよいかの検証。今泉氏は、ガバナンス (誰が何をしてよいかを決めて守らせる仕組み) とコストの課題は自ら実践しなければ見えないとコメントしている
  • 売り物は、複数の生成AIの利用とコストをまとめて管理する「AI Gateway」。提供は2027年9月までの予定で、料金は未定
  • HENNGEにとって初めての国内子会社。HENNGEの100%子会社 (親会社が株式をすべて持つ会社)であることは、今泉氏のnoteに書かれている

新会社の形

項目 内容 出どころ
設立 2026年10月1日(木) リリース
人間のメンバー 取締役2名のみ リリース
取締役の兼任 2名ともHENNGEの役員が兼任 今泉氏のnote
AIエージェントが担う実務 開発、カスタマーサポート、マーケティング、バックオフィス リリース
HENNGE本社に委託 営業活動、一部のバックオフィス業務 リリース
親会社との関係 HENNGEの100%子会社 今泉氏のnote
HENNGEにとって 初めての国内子会社 リリース (小椋一宏社長のコメント)
主な事業 「AI Gateway」をもとにしたサービスの開発・提供、コンサルティング リリース
提供時期 2027年9月までの予定 (料金は未定) リリース

AIエージェントとは、人の指示を受けて、手順を自分で組み立てながら作業を進めるAIのことです。

取締役2名とAIエージェント

代表取締役はHENNGE執行役員の今泉健氏、取締役はHENNGE取締役副社長の永留義己氏です。今泉氏は設立日に公開したnoteで「HENNGE AI株式会社は、設立の時点で従業員がいません。役員はHENNGEからの兼任です」と書いています。

同じnoteで今泉氏は、AIエージェント同士が議論し、役割を分担して仕事を進めていると書き、例を挙げています。取締役の役を受け持つAIエージェントにタスクの進み具合を音声で聞くと返事があり、分からないことは別のAIエージェントにSlackで問い合わせて、その答えを音声で返してくる、というものです。この「取締役のAIエージェント」は社内での役割の呼び名で、会社法上の取締役は人間の2名です。

AIエージェントは役割ごとに増やしている途中で、外部のAIエージェントを使うことも含めて形を探っているといいます。今泉氏は、決められた範囲の外で動こうとしたAIエージェントを監視して止める仕組みを、これから入れていくと書いています。

従業員を置かない理由

HENNGEはリリースで、新会社の狙いを「AIエージェントを最大限に活用してゼロから構築した場合、どのような組織構造が最適であるのか」を実証・検証することだと説明しています。利点と同時に課題も洗い出すとしています。

今泉氏のコメントは「AI活用の障壁であるガバナンスとコストの課題は、自ら実践しなければ本質が見えないと考えています」です。ガバナンスとは、組織の中で誰が何をしてよいかを決め、それが守られているかを確かめる仕組みのことです。AIエージェントにどこまでの権限を渡し、利用料がいくらかかるのかを、お客さんより先に自分たちの会社で確かめる、という位置づけです。今泉氏はnoteで「正直、うまくいかないことのほうが多いでしょう」とも書いています。

売り物になる「AI Gateway」

AIゲートウェイとは、社内の人やAIが複数の生成AIを使う時の出入口を1か所にまとめ、誰がどのモデルをどれだけ使ったかを管理する仕組みのことです。HENNGE AIは、HENNGEが社内で使ってきた「AI Gateway」をもとにサービスを開発します。リリースが挙げる主な機能の計画は次のとおりです。

  • ユーザーごとに使えるAIモデルを割り当てる
  • 利用コストを見える化し、上限を設定する
  • セキュリティの設定
  • HENNGE OneとのID連携

連携先の例には、ClaudeやChatGPTなどの生成AI、Visual Studio Codeなどの開発ツール、Difyなどが挙がっています。AIエージェントのような人間以外のIDを認証の仕組みで扱えるようにする拡張は「将来構想」とされています。

親会社HENNGEの主力サービス「HENNGE One」は、リリースによると契約ユーザー数が300万以上で、IDaaS (社員が使う複数のクラウドサービスのIDとログインを、1か所でまとめて管理するサービス) の国内市場でシェア1位 (ITR調べ・2025年度予測) です。HENNGEは1996年11月の創業です。

AIエージェントを業務に入れる会社にとっての意味

AIエージェントを業務に入れる会社は、どの仕事をどこまで任せ、利用料がいくらになり、範囲の外で動いた時に誰が止めるのかを決める必要があります。HENNGE AIは、その答えを自社の組織で先に試す会社です。2026年10月時点でわかっているのは組織の形と狙いまでで、AIエージェントがどこまで仕事をこなせたか、費用がいくらかかったかは、まだ公表されていません。営業は親会社の人が担うため、会社のすべての仕事をAIで回す試みでもありません。

まとめ(FAQ)

Q. HENNGE AIに人間は何人いますか?
A. 取締役の2名です。どちらもHENNGEの役員が兼ねています。従業員は置かず、開発やサポート、マーケティング、バックオフィスの実務をAIエージェントが担当し、営業と一部のバックオフィスはHENNGE本社に委託します。

Q. 「取締役のAIエージェント」とは何ですか?
A. 今泉氏のnoteに出てくる、社内での役割の呼び名です。会社法上の取締役は、今泉氏と永留氏の人間2名です。

Q. AI Gatewayはもう使えますか?
A. まだ使えません。提供は2027年9月までの予定で、料金はサービス開始時に案内するとしています。

Q. HENNGE AIとHENNGEはどういう関係ですか?
A. 今泉氏のnoteによるとHENNGEの100%子会社です。HENNGEの小椋一宏社長はリリースで、国内に子会社を設立するのは初めてとコメントしています。

検証メモ(出典と確認の範囲)
  • 組織の形、AIエージェントが担う実務、本社への委託、事業内容、提供時期、今泉氏と小椋氏のコメントは、HENNGEのプレスリリース (2026年10月1日(木)・題「HENNGE、AI活用支援サービスを展開する新会社『HENNGE AI』を設立」) によります。同じ文面はPR TIMESにも掲載されています。
  • 「100%子会社」「役員はHENNGEからの兼任」、取締役の役を受け持つAIエージェントの場面、AIエージェントを役割ごとに増やしていること、監視の仕組みを今後入れる予定であること、「正直、うまくいかないことのほうが多いでしょう」は、今泉健氏のnote (2026年10月1日(木)・題「HENNGE AI株式会社を設立しました、提供したいのはAI活用の組織カルチャー」) によります。リリースには「100%子会社」の表記はなく、「国内子会社を設立するのは初めて」(小椋氏のコメント) までです。
  • AIエージェントの数、HENNGE AIで使うAIモデル、資本金、売上目標は、リリースにもnoteにも書かれていません。
  • リリースに「日本初」「世界初」の表現はありません。
  • 同じ内容はITmedia AI+ (2026年10月1日(木)) も報じています。
  • 掲載日 (2026年10月5日(月)) 時点の情報です。

Quotidia の視点

HENNGE AIには、取締役2人のほかに人間の従業員がいない。Quotidia が追いたいのは、AIエージェントに渡した仕事のうち、どれが人の手に戻ってくるかの記録だ。AIエージェントを業務に入れようとしている会社は、どこで人が止めに入ったか、月にいくらかかったかを知りたいが、それは製品の資料には書かれにくい。HENNGEは社内で使ってきたAI Gatewayを2027年9月までに売り物にする予定で、新会社でのつまずきが、そのまま製品の機能を決める材料になる立場にある。ただ、営業と事務の一部ははじめから親会社に頼み、決められた範囲の外で動いたAIエージェントを止める監視の仕組みもこれから入れる段階だ。この先、AIだけで会社が回ったという報告が出ても、その範囲は最初から限られている。HENNGE AIの最初の報告では、親会社の人に戻した仕事が何件あり、それが何の仕事だったかを見たい。

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