ドラクエの堀井雄二氏、AIに指図して30分ほどで推理ゲームを作る
ドラクエの堀井雄二氏、AIに指図して30分ほどで推理ゲームを作る【2026年10月】

『ドラゴンクエスト』シリーズのゲームデザイナー、堀井雄二氏は2026年10月11日(日)、AIに指図して作ったという推理ゲーム『取調室の小宮』を自身のXで公開し、制作時間を「ほんの30分ほど」と書きました。堀井氏は、1983年にPC向けに出た推理アドベンチャーゲーム『ポートピア連続殺人事件』を、物語も絵もプログラムも一人で作った人です。投稿では当時と比べて、「AIを使えば、絵を描けなくても、プログラムしなくても、AIに指図するだけで、ひとりで、そこそこのゲームを作れてしまいます。ホントびっくりです。」と書いています。
この記事のポイント
- 堀井雄二氏が2026年10月11日(日)、推理ゲーム『取調室の小宮』をXで公開。AIに指図して作ったと本人が書いている
- 制作時間は本人いわく「ほんの30分ほど」
- 『ポートピア連続殺人事件』は物語・絵・プログラムを一人で手がけた、と本人が振り返っている (1983年の発売は、Steamのストア説明による)
- リンク先はClaudeの共有ページ (アーティファクト)。投稿に出てくるAIの呼び名は「AI」だけ
- ファミ通などによると、容疑者のうそを証拠で崩す取り調べのゲーム
1983年と2026年、堀井氏の作り方
堀井氏の投稿に書かれていることを並べると、次のようになります。
| 1983年『ポートピア連続殺人事件』 | 2026年『取調室の小宮』 | |
|---|---|---|
| 物語 | 自分で考えた | 投稿に記載なし |
| 絵 | 自分で描いた | 描かずに、AIに指図 |
| プログラム | 自分で書いた | 書かずに、AIに指図 |
| 制作時間 | 投稿に記載なし | ほんの30分ほど (本人の申告) |
| 公開のしかた | PC向けのゲームとして発売 | 本人のXにリンクを投稿 |
(堀井氏のX投稿 (2026年10月11日(日)) による。1983年の発売は、Steamのスクウェア・エニックスのストア説明による)
投稿で、AIに指図すれば要らないと書かれているのは、絵とプログラムの2つです。物語をどう作ったかは、投稿からは分かりません。
『取調室の小宮』はどんなゲームか
ファミ通 (2026年10月11日(日)) と電ファミニコゲーマー (2026年10月12日(月)) によると、プレイヤーは警察官になり、「質店金庫荒らし事件」で疑われている72歳の元錠前職人・小宮を取り調べます。ファミ通によると、小宮はうそをつくことがあり、プレイヤーは食い違う供述に証拠を突きつけて崩していきます。
ゲームには「動揺」と「反発」の数値があり、反発が100になると小宮は黙秘します (両誌)。クリア時の評価は、うそをどれだけ暴けたかで変わります (ファミ通)。遊んだ人の投稿を集めたTogetterのまとめには、「2回目でやっとクリアした」といった声が並んでいます。
投稿にあるAIの呼び名は「AI」だけ
堀井氏は投稿の中で、使ったAIを「AI」と呼んでいるだけで、サービスやモデルの名前は書いていません。リンク先のアドレスは claude.ai で、Anthropic社のAI「Claude」の共有ページです。ファミ通も、リンクに「『取調室の小宮』(Claude.ai)」と添えています。どう指図したか、何回やり取りしたかも、投稿にはありません。
2023年のAI版『ポートピア』とは別のもの
スクウェア・エニックスは2023年4月、『ポートピア連続殺人事件』を題材に、自然言語処理 (人がふだん使う言葉を、コンピューターに扱わせる技術) を体験するソフト「SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE」をSteamで無料で出しています。これは同社の製品で、今回の堀井氏個人の投稿とは別のものです。
投稿への反響
投稿は2026年10月12日(月)の朝の時点で84万226回表示され、いいねは1万2,050件、リポストは3,112件でした。ファミ通は投稿の当日に、電ファミニコゲーマーは翌日に、それぞれ記事にしています。
まとめ(FAQ)
Q. ゲームはどこで遊べますか?
A. 堀井氏の2026年10月11日(日)のX投稿に貼られたリンクから開けます。リンク先はClaudeの共有ページで、2026年10月12日(月)時点で公開されています。
Q. 堀井雄二氏は、どのAIを使ったのですか?
A. 投稿では「AI」とだけ書いています。ゲームのリンク先はClaudeの共有ページ (アーティファクト) です。
Q. 本当に30分で作れたのですか?
A. 「ほんの30分ほど」は堀井氏本人の申告です。
Q. 『取調室の小宮』はどんなゲームですか?
A. ファミ通と電ファミニコゲーマーによると、警察官として72歳の元錠前職人・小宮を取り調べ、うその供述を証拠で崩していく推理ゲームです。「反発」の数値が100になると黙秘されます。
Q. スクウェア・エニックスの新作ですか?
A. 違います。堀井氏が個人のXアカウントで公開したものです。スクウェア・エニックスが2023年にSteamで出したAI技術のプレビュー版の『ポートピア』とも別のものです。
検証メモ(出典と確認の範囲)
- 堀井氏の言葉・制作時間・『ポートピア』を作った当時の作り方は、堀井氏のX投稿 (2026年10月11日(日)) の原文によります。1983年という発売年は、Steamのストア説明によります。投稿に画像や動画は付いておらず、リンクは1つ (claude.ai のアーティファクト) です。
- 約20分後の補足の投稿で、堀井氏は最初の投稿にある「ブーストするボタン」について「ボクのページにしか出ていない見たいですね」と書いています。このボタンが何かは説明されていないため、本文では扱っていません。
- ゲームの設定 (72歳・動揺と反発の数値・反発100で黙秘・評価) は、ファミ通と電ファミニコゲーマーの記述によります。Quotidiaはゲーム本体を遊んで確かめていません。ファミ通は小宮を「被疑者」、電ファミニコゲーマーは「容疑者」と書いています。
- 「無料公開」はファミ通・電ファミニコゲーマーの表現で、堀井氏本人はリンクを貼っただけです。遊ぶのにClaudeのアカウントが必要かどうかは確認していません。
- 使ったAIの名前は、リンク先のアドレス (claude.ai) から分かる範囲だけを書いています。
- 堀井氏が以前にAIでゲームを作ったことがあるかは調べていないため、「初めて」とは書いていません。
- 2023年の「SQUARE ENIX AI Tech Preview」に堀井氏がどう関わったかは確認していません。
- Togetterのまとめは「様々な反応」としており、反応の割合は測っていません。
- 表示数・いいね数・リポスト数は2026年10月12日(月)の朝の時点の値です。
- 2026年10月12日(月) 時点の確認による情報です。
Quotidia の視点
堀井雄二氏は投稿で、昔は物語・絵・プログラムを一人でこなしたと振り返ったうえで、今はAIに指図すれば絵もプログラムも要らないと書き、物語をどうしたかには触れていない。家族と遊ぶ小さなクイズや、職場で使う簡単な道具を作りたい人にとって、絵が描けず、コードも書けないことは、最初にあきらめる理由になりにくくなった。ファミ通と電ファミニコゲーマーが伝える『取調室の小宮』は、うその供述を証拠で崩し、反発が限界に達すると容疑者が口を閉ざしてしまう取り調べのゲームだ。どのうそにどの証拠を当てさせ、どこで黙らせるかは、絵ともコードとも別の、遊びの設計の仕事になる。以前の記事で取り上げた、院長が自分で組んだ院内のAIが話題になったときも、安く見えたのは自分で組める人の話だった。30分という数字も、作り手の経験の分を足して読むのがいい。
関連記事:
- 文京区のクリニックが院内ローカルLLMを自作、機材はMac Studio。ベンダー経由なら初期400万円から、保守は月30万円から(文京区のクリニックの院長が自分でMac Studioに組んだ院内のAIが「安い」と話題になり、ITmediaの取材ではベンダー経由なら初期400万円からだった回。自分で作れる人かどうかで、手間と費用の見え方が変わる)
二台のラジカセ

一九八四年の夏、兄の部屋にはラジカセが二台あった。一台は兄が新聞配達のお金で買った銀色のもので、もう一台は父が会社の忘年会のくじで当ててきた、角の欠けた黒いものだった。兄は十七歳で、僕は十二歳だった。
その夏、兄は一人で一曲を作っていた。黒いほうにギターを録り、それを鳴らしながら、銀色のほうにベースを重ねて録る。次は銀色のほうを鳴らして、黒いほうにもう一つ音を重ねる。重ねるたびに、さあっという細い雨みたいな音が増えていった。四回目には、最初のギターは水の底のほうで鳴っていた。
僕の係は、録音のボタンだった。兄の両手はギターでふさがっているので、兄があごを小さく引いたら、録るほうの赤い録音ボタンと再生ボタンを一緒に押し込む。二つのボタンは固くて、両方の親指を使った。順番を待つあいだ、僕は鉛筆の尻で電話帳を叩いていた。叩くのはいいけど、鼻歌はやめろ、と兄は言った。
十月の日曜の夜、居間で携帯を見ていて、堀井雄二さんの投稿に行き当たった。『ドラゴンクエスト』を作った人で、その前には『ポートピア連続殺人事件』を作った人だ。投稿によると、その昔PCでポートピアを作ったときは、物語を考え、絵も描き、プログラムもして、ひとりで作った。そして今は、絵を描けなくても、プログラムしなくても、AIに指図するだけで、ひとりで、そこそこのゲームが作れてしまう。ホントびっくりです、とあった。下に貼った推理ゲームの制作時間は、ほんの三十分ほどだったそうだ。
僕は兄に電話をかけた。兄はいま、北のほうの町で、年を取った柴犬と暮らしている。
「堀井雄二が、AIに指図して、三十分でゲームを作ったって」
「ポートピアの人か」
「そう。昔は絵もプログラムも、ぜんぶ一人でやったって書いてる」
兄はしばらく何も言わなかった。電話の向こうで、とん、とん、と小さな音がしていた。
「そっち、雨か」と兄が訊いた。
「降ってない」
「こっちは降ってる。ベランダのバケツに落ちる音だ」
それから兄は、三十分で、そこそこか、と言った。
「俺のは、お前にしか聴かせなかった」
電話を切る前に、バケツがもう一度、とん、と鳴った。
次の朝は祝日だった。僕は押し入れの天袋から、靴の箱を一つ下ろした。中にはカセットテープが十四本入っていた。ほとんどは中学のころにラジオから録った歌で、ラベルには僕の字で曲の名前が書いてある。一本だけ、兄の字で「夏」とだけ書いたものがあった。
兄は次の年の春に家を出て、銀色のラジカセを持っていった。黒いほうは僕の部屋に移り、何年かして、父が角の欠けたまま粗大ごみに出した。だから家にはもう、カセットを鳴らせる機械がない。ケースから出したテープを手のひらに載せると、思っていたより軽かった。九十分のテープで、使ったのは片面の最初の五分ほどのはずだった。
あの夏の終わりに一度だけ、二人で黒いほうのラジカセで、最後まで聴いたことがある。四回重ねた音はずっとこもっていて、電話帳の音だけがやけにはっきりしていた。聴き終わると、兄は何も言わずに巻き戻しのボタンを押した。秋になって、母が電話帳の表紙の鉛筆の跡を見つけて、これは何、と訊いた。僕は、知らない、と言った。
ソファに戻って、前の晩に見た堀井雄二さんの投稿を、もう一度開いた。表示の数は一晩でずいぶん増えていて、遊んでみた人の書き込みには、二回目でやっとクリアした、というのもあった。僕は携帯を伏せて、ソファの肘掛けに置いた。
それから、あの曲を鼻で歌ってみた。出てきたのは最初の四小節だけで、その先は、細い雨の音の向こうにあった。
昼前に、もう一度兄に電話をかけた。
「あのテープ、まだあった」
「鳴らす機械、あるのか」
「ない」
「じゃあ、そのままでいい」と兄は言った。「あれは、聴かないほうがいい出来だ」
雨はもうやんだらしかった。電話の向こうで、柴犬が一度だけ吠えた。
ケースの中には、小さくたたんだ紙が一枚挟まっていた。広げたことは、たぶん一度もなかった。開くと、内側に兄の青いボールペンの字が並んでいた。
作曲、弟。ギター、兄。ベース、兄。電話帳、弟。録音、弟。
堀井雄二氏、AIに指図して約30分で作った推理ゲーム『取調室の小宮』をXで公開
ゲームデザイナーの堀井雄二氏は2026年10月11日(日)、AIに指図して作った推理ゲーム『取調室の小宮』のリンクを自身のXに投稿し、制作時間を「ほんの30分ほど」と書いた。1983年発売の『ポートピア連続殺人事件』について、堀井氏は物語・絵・プログラムまで一人で作ったと振り返り、今は「AIを使えば、絵を描けなくても、プログラムしなくても、AIに指図するだけで、ひとりで、そこそこのゲームを作れてしまいます」と書いている。投稿は使ったAIを「AI」とだけ書いており、リンク先はClaudeの共有ページ (アーティファクト)。ファミ通と電ファミニコゲーマーによると、プレイヤーは警察官として72歳の元錠前職人・小宮を取り調べ、うその供述を証拠で崩す。「反発」の数値が100になると黙秘される。投稿の表示は2026年10月12日(月)朝の時点で84万回を超えた。
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