AIに映像を任せきりにしない。助監督役のAIと相談し、実写と同じ順番で作る「MaiStory」が公開
AIに映像を任せきりにしない。助監督役のAIと相談し、実写と同じ順番で作る「MaiStory」が公開【2026年11月】

東京・中野のFlowersKnivesは2026年11月7日(土)、AIの助監督「Mai AD」と相談しながら、企画から動画の生成までを一人で進める映像制作のサービス「MaiStory」のVer 1.0を公開しました。脚本から登場人物・シーン・小道具を洗い出し、絵コンテ (撮影の前に、場面ごとの様子を絵で並べた設計図) を軸に、カットごとに画像と動画を生成していきます。進む順番は、実写の映像制作と同じです。Mai ADは脚本の下書きやプロンプト (AIへの指示文) を提案し、専門用語も説明しますが、採用するか、生成するかを決めるのは利用者だと同社は説明しています。料金は、Mai ADとの会話だけができるFreeのほか、月1,100円のStarterと月2,200円のPro (いずれも税込・Proはローンチ価格) があり、会話や生成に使うポイントは月額とは別に購入します。
この記事のポイント
- FlowersKnivesが2026年11月7日(土)、AI映像制作のサービス「MaiStory」のVer 1.0を公開した
- AIの助監督「Mai AD」と相談しながら、脚本、絵コンテ、カットごとの画像と動画を、実写の映像づくりと同じ流れで一人で進める
- Mai ADは下書きや指示文を提案するが、採用するか、生成するかを決めるのは利用者
- 月額はシステム利用料で、会話や生成に使うポイント (pt) は別に買う。1本の動画にいくらかかるかは公表されていない
- 利用は18歳以上。12月下旬 (予定) まで、東京・有楽町のTokyo Innovation Baseで展示している
MaiStoryとは
MaiStoryは、個人で映像作品を作りたい人のためのAI映像制作プラットフォームです。同社の説明では、AIの助監督「Mai AD」と対話しながら、企画から動画生成までを一人で進められます。映像制作を学んだことがない人も、作りながら映像の考え方に触れられる、としています。
同社が挙げた使い道の例は、大切な人への贈りものの映像、自作小説のプロモーション動画、昔つくった曲のMV、まだ誰も観たことのない個人映画です。
脚本から動画まで、4つの工程
リリースの副題には「実写と同じ順番でAI助監督が伴走」とあります。リリースによると、作業は映像制作の工程そのままの順に進みます。
- 脚本
- 画風・人物・シーン (脚本から人物・シーン・小道具を洗い出す)
- 絵コンテ
- カットごとの画像と動画
絵コンテを軸にして、カットを一つずつ作っていく形です。どのカットを作るか、提案された下書きを使うかは、それぞれの段で利用者が決めます。
3つの特徴
| 名前 | 中身 (同社の説明) |
|---|---|
| Mai Profile | 作品の前に、まず作る人を知る。創作の経験や好みをまとめ、Mai ADがそれをもとに進め方を提案する |
| 絵コンテが軸 | 脚本、画風・人物・シーン、絵コンテ、カットごとの画像と動画、という制作の工程どおりに進む |
| Vibe Filming | Mai ADが脚本の下書きやプロンプトを提案し、専門用語も説明する。採用するか、生成するかを決めるのは利用者 |
なぜ作ったのか
リリースの中で、同社はこう問いかけています。「生成AIで、映像は数分で出せるようになった。では、ボタンひとつで出てきた映像は、誰の「作品」なのか。」
そのうえで、AIが自律的に行った試行錯誤は、それを体験していない人の知識にはならない、何かを本気で身につけるには自分で手を動かすことが必要だ、と書いています。同社は、この考えからMaiStoryをつくったと説明しています。
代表取締役の水木凛空氏は、デジタルハリウッド大学で実写の映像制作を学び、卒業制作で20分のショートムービーを自主制作しました。その後、クリエイティブ・エンジニアリングの教育機関で7年半、クリエイターを支えてきたと、リリースは紹介しています。
開発は2026年1月に始まり、6月のクローズドMVP (限られた人だけに試してもらう最小限の版)、9月のβ版の限定公開を経て、今回のVer 1.0に至りました。今後も定期的にバージョンアップするとしています。
料金
| プラン | 月額 (税込) | 備考 |
|---|---|---|
| Free | 0円 | Mai ADとの会話のみ |
| Starter | 1,100円 | 月額はシステム利用料 |
| Pro | 2,200円 | ローンチ価格。拡張機能の提供開始に合わせて改定する予定 (利用規約) |
Freeは、ptを買わずにMai ADとの会話だけを使うプランです。有料プランの月額はシステム利用料で、Mai ADとの会話や生成に使うptは別に購入します。1ptは1.1円 (税込) で、契約するときはプランとptをセットで買います。利用規約によると、購入したptの有効期限は購入日を1日目として180日目までです。
1本の動画を作るのに何pt要るかは、リリースにも利用規約にも書かれていません。利用規約は、各機能に必要なpt数を「特定商取引法に基づく表記」などで示すとしています。
各プランには保存容量の上限があり、採用しなかった生成物も容量に含まれます。上限に達したら、空きを作ってから次の生成に進みます。有料プランは1か月ごとに自動で更新され、いつでも解約できます。
使う前に知っておきたい規約
- 利用できるのは18歳以上
- 登録には、Googleアカウントか、メールアドレスとパスワードを使う
- MaiStoryは第三者の生成AIを使い、利用者が送った内容がその事業者のAIモデルの学習に使われない条件で利用するとしている。使うAIモデルは変わることがある
- 生成物を公開・配布・販売するときは、利用者が自分の責任で内容と権利関係を確かめる
- 実在の人物の同意なく、その人の顔・姿・声を使ったり似せたりした画像・動画・音声を作ることは禁止
有楽町で展示中
2026年11月7日(土)から12月下旬 (予定) まで、東京・有楽町のTokyo Innovation Base (TIB) 1階で展示しています。会場はJR有楽町駅から徒歩1分のSusHi Tech Square (東京都千代田区丸の内3-8-3) で、展示時間は平日10:00〜21:00、土日祝10:00〜17:00です。
会社について
FlowersKnivesは東京都中野区の会社で、設立は2026年4月1日、資本金は100万円です。MaiStoryの開発・運営のほか、Web制作、日中コンテンツのローカライズ、自社IPの創出を事業に挙げています。
まだ分かっていないこと
- 1本の動画を作るのに必要なptと、金額の目安
- 生成できる動画の長さ、解像度、音声の有無
- StarterとProの違い
まとめ(FAQ)
Q. Freeプランでは何ができますか?
A. ptを買わずに、Mai ADとの会話だけを使えます。画像や動画の生成には、有料プランと、別に購入するptが必要です。
Q. 月額料金だけで、何本でも作れますか?
A. いいえ。月額はシステム利用料で、会話や生成に使うptは別に購入します。1本の動画に何pt要るかは公表されていません。
Q. AIが映画を作ってくれるのですか?
A. 同社の立場は逆です。Mai ADは下書きや指示文を提案しますが、採用するか、生成するかを決めるのは利用者だと説明しています。
Q. 作った動画を、販売や仕事に使ってよいのですか?
A. 利用規約は、法令と外部サービスの利用条件に従う範囲で生成物を利用できるとし、同社は原則として生成物の権利を主張しないとしています。一方で、権利が成立することや、第三者の権利を侵害しないことは保証せず、公開・配布・販売する場合は、利用者が自分の責任で内容と権利関係を確かめる、としています。販売や仕事での利用を名指しで認める記述はありません。
Q. どのAIモデルで動画を作っているのですか?
A. 公表されていません。利用規約は「第三者が提供する生成AI」を使うとだけ書き、使うモデルは変わることがあるとしています。
検証メモ(出典と確認の範囲)
- FlowersKnivesのPR TIMESのリリース (2026年11月7日(土)) を全文で確認しました。機能、進む順番、使い道の例、つくった理由、料金、展示、会社概要はこのリリースによります。リリース内の画像は確認の範囲外です。
- 利用資格、外部の生成AIの学習に使われない条件、ptの有効期限、保存容量、解約、権利、禁止事項は、同日最終更新のMaiStory利用規約によります。利用規約は2026年11月8日(日)に全文 (第1条〜第31条) を確認しました。
- 利用規約にはほかに、Freeの利用者はpt購入の対象外であること、処理が失敗したときはptを消費しないこと、保存容量が上限に達したら空きを作ってから新しい生成に進むこと、有料プランの解約に違約金や解約手数料がかからないこと、利用者が入力・アップロードした脚本などについて同社が著作権などの権利を取得するものではないこと、ほかの利用者と似た生成物ができないことを同社は保証しないこと、が書かれています。
- 本文の「まだ分かっていないこと」に挙げた3点のほか、使っている画像・動画生成のAIモデルの名前、利用者数やβ版のテスターの数、スマートフォンのアプリがあるか、日本語以外での提供も、リリースと利用規約からは分かりませんでした。
- サービスサイトのトップと料金のページ、会社のサイトは本文を取得できず、確認の範囲外です。「特定商取引法に基づく表記」も確認の範囲外です。
- アプリの実際の画面と、生成される動画の品質は確認の範囲外です。
- 報道との照合は行わず、内容はすべて同社の発表と利用規約によります。
- 2026年11月8日(日) 時点の確認による情報です。
Quotidia の視点
MaiStoryは、映像を早く出すことより、工程を一つずつ踏むことを前に出している。脚本、人物やシーンの洗い出し、絵コンテ、カットごとの画像と動画と、実写と同じ順に進み、Mai ADは下書きを出すが、採るかどうかは利用者が決める。映像の作者は誰なのか、という同社の問いは、この順番の作りにそのまま表れている。一方で、払う額の見通しはまだ立てにくい。月の料金とは別に、会話と生成の分のptを買う仕組みだ。1本の動画にかかるptの目安は、まだ公表されていない。作った動画を人に見せたり売ったりするときの権利関係も、規約上は利用者が自分で確かめることになっている。FreeでMai ADと話し、進め方を聞いてみるところまでは、ptを買わずにできる。
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撮らない、と書く

姉の夫の隆之さんは、運動会の前の晩に、撮る順番を紙に書く。姪が小学校に上がった年からで、今年で五年目になる。僕はその話を、隆之さん本人からではなく、姉から聞いた。隆之さんはそのとき、電池を買いに出ていた。
土曜の夕方の六時に、僕は実家から預かった靴箱を姉の家へ届けた。中には、父が昔のビデオカメラで撮った小さなテープが十四本入っている。駅前に、テープの中身を今の形に移してくれる店があると、姉が見つけてきたのだ。
台所のテーブルには、あしたの運動会のプログラムが置いてあった。裏返すと、ボールペンの細かい字が端まで並んでいた。
「三番、徒競走。五年生の三組目、第四コース。ゴールの側の、テントの左」と姉が読み上げた。「七番は玉入れだから、撮らないで声を出す。お昼は校舎の時計の下で、いなり寿司」
「いなり寿司まで書くのか」
「九個って書いてある。あの人が三つ、あの子が三つ、わたしが二つ。残りの一つは、毎年、誰が食べたのか分からなくなる」
流しの横に立ったまま、姉は携帯をこちらへ向けた。隆之さんが昼に送ってきた記事だという。
東京の中野にあるFlowersKnivesという会社が、十一月七日に「MaiStory」というサービスのバージョン1.0を出した、という記事だった。AIの助監督の「Mai AD」と相談しながら、脚本から出てくる人や場所や小道具を洗い出し、絵コンテを軸にして、カットごとに画像と動画を作っていく。順番は実写の映像を作るときと同じで、それを一人で進める。脚本の下書きはAIも出してくれるが、それを使うか、そのカットを作るかを決めるのは、使う人のほうだと書いてあった。「ボタンひとつで出てきた映像は、誰の作品なのか」。会社はそう問いかけていた。
「隆之さん、これをやるのかな」と僕は言った。
「さあ。お金のかからないプランもあるけど、それは話すだけ。動画を作るには、月の料金とは別にポイントを買うんだって」と姉は言った。「それに、十八歳からなんだって。あの人が調べてた。だから、あの子は使えない。あの子は、自分が出るほうがいいって」
それから姉は、プログラムの裏の字を指でたどった。
「あの人ね、撮るのはそんなにうまくないの。手ぶれもするし、肝心なところで地面を撮ってる。でも、この紙を書いてるあいだに、一回、運動会を見終わってるのよ」
紙の一番下には、「リレー 撮らない」と書いてあった。
帰りぎわ、玄関で靴をはいていると、姉が靴箱から一本だけ抜き出し、僕の手にのせた。「これは、あんたのだから」
自分の部屋に戻って、そのテープを机に置いた。手のひらに収まるくらいの黒いケースで、背のラベルに父の字がある。「運動会 下」。下というのは、二人きょうだいの下、つまり僕のことだ。日付は、十月九日と書いた上を二本の線で消して、横に十日と書き直してあった。雨で一日延びたのだろう。
ケースを開けると、テープの下に、小さくたたんだ紙が一枚挟まっていた。広げると、鉛筆の字で番号が並んでいた。一、入場、正門の右。四、徒競走、二組目、第六コース、ゴールの側。九、組体操、後ろから二列目。昼、雨なら体育館。
運動会の日の父は、いつもゴールの側にいた。肩にのせたビデオカメラは重そうで、走り終えて振り返ると、父の顔より先に、黒いレンズがこちらを向いていた。僕はずっと、そこがいちばんよく見える場所だから父はそこにいるのだと思っていた。前の晩に、こういう紙を書いていたことは知らなかった。
徒競走で、僕は六人のうちの四番目だった。組体操では、いちばん下で人を背負う役をやった。背中に乗った子のかかとが、終わるまでずっと肩甲骨の内側に当たっていた。その晩の夕飯のとき、父は一度だけ「ゴールの側にいるとな、みんなこっちへ走ってくるんだ」と言った。それが徒競走の話だったのか、ほかの何かの話だったのか、僕は聞かなかった。
このテープを、僕は一度も見たことがない。うちのデッキは、僕が中学に上がるころには押し入れの奥へ移っていて、それきり出てこなかった。
寝る前に、姉の携帯で読んだ記事を自分の携帯で探して、もう一度読んだ。MaiStoryでは、作品の前に、まず作る人のことを知るのだという。これまでに何を作ってきたか、何が好きかを最初にまとめておくと、Mai ADがそれをもとに進め方を出してくる。僕がこれまでに作ったものを考えてみた。思いついたのは組体操の土台くらいで、あれは作ったうちに入らない気がした。
十一時すぎに、姉から短いメッセージが届いた。「電池、八本買ってきた。四本でいいのに」
僕は紙を元の折り目どおりにたたんで、テープの下に戻した。ケースのふたを閉めると、小さく乾いた音がした。
脚本、絵コンテ、カットごとの動画まで、映像づくりの順に。AI助監督と一人で映像を作る「MaiStory」
東京・中野のFlowersKnivesは2026年11月7日(土)、AI映像制作のサービス「MaiStory」のVer 1.0を公開した。AIの助監督「Mai AD」と相談しながら、脚本から人物・シーン・小道具を洗い出し、絵コンテを軸にカットごとの画像と動画を生成する。進む順番は実写の映像制作と同じで、一人で進められる。Mai ADは脚本の下書きやプロンプトを提案し、専門用語も説明するが、採用するか、生成するかを決めるのは利用者としている。料金は税込で、Mai ADとの会話だけができるFree、月1,100円のStarter、月2,200円のPro (ローンチ価格)。月額はシステム利用料で、会話や生成に使うptは別に購入する (1pt=1.1円・税込)。1本の動画に必要なpt数は公表されていない。利用は18歳以上。12月下旬 (予定) まで、東京・有楽町のTokyo Innovation Base 1階で展示している。
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