「ブログで強い成果」13.9%は調査開始以来の最低。原因はAIではなく「基本の省略」、米Orbit Media 1,042人調査
「ブログで強い成果」13.9%は調査開始以来の最低。原因はAIではなく「基本の省略」、米Orbit Media 1,042人調査【2026年9月】

米国のコンテンツマーケティング (記事や動画で読者を集め、商品やサービスに結びつける手法) 会社 Orbit Media が2026年9月8日(火)に公開した年次調査「Blogging Statistics 2026」で、自分のブログが「強い成果」を出していると答えたコンテンツマーケターは、回答者1,042人のうち13.9%にとどまり、13回目となる調査の開始以来で最も低い割合になりました。2014〜2019年は25〜30%、2022年でも26%あった数字が、4年でほぼ半減した形です。
一方で回答者の92.4%はすでにAIを使っており、AIを使っているかどうかと成果との間に相関 (2つの数字が一緒に動く関係) は見られなかった、と同社は報告しています。成果が落ちた理由として同社が挙げるのは、AIで浮いた時間の分だけ、キーワード調査 (読者がどんな言葉で検索しているかを先に調べる手順) や人による編集、独自調査の公開、他の書き手との協業といった、以前は効いていた基本の手順を手放す人が増えたことです (一次資料は Orbit Media のレポート、Search Engine Land が9月10日(木)に報道)。速く書けるようになったことと、成果が出ることは、別々に動いている。この調査が示しているのは、その分かれ目です。
この記事のポイント
- 「ブログで強い成果」と答えたマーケターは13.9%。Orbit Media の1,042人調査で、調査開始以来の最低です (2014〜2019年は25〜30%、2022年は26%)
- AIは92.4%が利用。ただしAIを使う人と使わない人で、成果が出たと答えた割合は同じで、AI利用と成果の相関は見られなかったと同社は報告しています
- 1本にかける時間は平均3時間20分。2022年のピーク (4時間10分) から50分短くなり、平均文字数も1,312語に減りました
- 落ちた理由は「基本の省略」(同社の分析)。キーワード調査をしない人が増え、人の編集者をAI編集に置き換え、独自調査の公開や有料プロモーションが減り、ゲスト投稿は前年比29%減、インフルエンサーとの協業は25% (2017年) から7%へ
- 回答者1,042人の自己申告による数字です
何が起きたのか
Orbit Media は、企業ブログなどを手がけるコンテンツマーケターを対象に、2014年から毎年同じ形式の調査を続けています。13回目となる今年の回答者は1,042人。その中で「自分のブログは強い成果を出している」と答えた人は13.9%でした。
この数字は、2014〜2019年には25〜30%で推移し、2022年にも26%ありました。つまり直近4年でほぼ半分になった計算です。同時に、「成果が分からない」と答えた人も18.9%へ増えています (従来は9〜14%)。成果が出た人が減っただけでなく、出ているかどうかを測る人も減った、という二重の変化です。
Search Engine Land は9月10日(木)、この結果を「12年で最低」と報じました。元レポート自身の表現は「調査開始以来の最低 (all-time low)」です。
AIを使う人と使わない人で、「強い成果」の割合は同じだった
今回の調査で最も目を引くのは、AIの扱いです。回答者の92.4%がすでに何らかの形でAIを使っています。ブログの成果が落ちた時期とAIが広まった時期は重なるため、「AIが記事を量産して成果を落とした」という説明は、いかにも筋が通って見えます。
しかし同社の分析では、AIを使っている人と使っていない人で、「強い成果」と答えた割合は同じでした。レポートの言い方を借りれば、AIの利用は「何とも相関しない (it correlates with nothing)」。AIを使うほど成果が上がる傾向も、下がる傾向も、この調査の中には出てきませんでした。軸を分けると、「強い成果」の割合は同じで、「期待外れ」の割合は違いました。同社は、「期待外れ」と答えた割合はAIを使っていない人の方が高かった、とも付記しています。AIを使えば成果が上がるわけではないが、使わないと下振れしやすい、と同社は読んでいます。
ここで注意したいのは、相関が見られなかったことと、AIに影響がないこととは別だという点です。相関は2つの数字が一緒に動くかどうかを見るもので、原因と結果の証明ではありません。「AIがブログをだめにした」とも「AIは無害だと証明された」とも、この調査からは言えません。言えるのは、AIを使ったかどうかでは成果の差を説明できなかった、というところまでです。
浮いた時間で、何を手放したのか
では何が変わったのか。1本の記事にかける時間は平均3時間20分で、2022年のピークだった4時間10分から50分短くなりました。平均の文字数も1,312語と、2023年の1,427語から減っています。速くはなった。ここは素直に認めてよい変化です。
問題は、浮いた時間の使い道でした。同社の分析によると、キーワード調査をしない人が増え、人の編集者をAIによる編集に置き換える動きが進み、独自調査を公開する人が減り、有料プロモーションも減りました。ゲスト投稿 (他人のブログに寄稿すること) は前年比29%減、他の書き手や発信者との協業は2017年の25%から7%まで落ちています。いずれも、以前は成果と結びついていた手順です。AIで時間が浮き、その分だけ、書き手の側が効いていた基本を削ってしまった。レポートはそう読み解いています。
MarketingProfs の Ann Handley 氏はこの結果が「警鐘になってほしい」と述べ、どの手間を削り、どの手間を残すのかを、もっと見極める必要があると続けています (同レポートに寄せたコメント。Search Engine Land も引用)。
数字の読み方 (13.9%は「成功率」ではない)
「13.9%」は、回答者が自分のブログを「強い成果を出している」と自己評価した割合です。アクセス数や売上を計測して算出した成功率とは別のものです。同じ理由で、「92.4%がAIを使っている」も自己申告の数字です。
回答者は米国の会社が英語で募った1,042人のコンテンツマーケターで、国や地域の内訳は公表されていません。「日本のブロガーの13.9%」という読み替えは成り立ちません。持ち込めるのは数字そのものより、「速くなった時間で、どの手順を省いたか」という問いの方です。
もう一つ、時系列の読み方です。25〜30%から13.9%への落ち込みは12年の推移であって、AIが広まった直近1〜2年だけの変化ではありません。2022年の26%から見ても半減しており、ブログの成果が出にくくなる流れは、AI以前から少しずつ進んでいた可能性があります。
日本の読者にとっての意味
生成AIで下書きが数分で出てくる職場は、日本でも当たり前になりつつあります。数字はアメリカの会社の調査ですが、問いは同じです。速くなった分の時間を、どこに使っているか。書く前に「読者が何を探しているか」を調べる手順、書いたものを別の人に読んでもらう手順、自分で集めた数字を出す手順。どれも地味で、AIがあれば飛ばせてしまう工程です。
まず、AIを使うか使わないかは、この調査の中では成果を分ける線ではありませんでした。判断の分かれ目は、そのあとです。浮いた時間で基本の手順を増やすのか、それとも本数を増やすのか。会社のブログでも個人の発信でも、この選択は、記事を一本書くたびに繰り返されています。
もう一つは、成果を測る習慣です。「成果が分からない」と答えた人が18.9%に増えたのは、AIとは別の、見過ごせない変化です。速く書けるほど本数は増え、1本ごとの成果は見えにくくなります。何をもって「効いた」と言うのかを書く前に決めておくことの重みは、速く書けるようになった分だけ増しています。
まとめ(FAQ)
Q. ブログの成果が落ちたのは、AIのせいですか?
A. この調査では、AIを使う人と使わない人で成果の割合に差がなく、AI利用と成果の相関は見られませんでした。同社が挙げる理由は、浮いた時間の分だけキーワード調査や人の編集、独自調査、協業といった基本の手順を手放したことです。ただし、相関が見られないことと、影響がないことの証明は別です。
Q. 「13.9%」は何の数字ですか?
A. 回答者1,042人のうち、自分のブログが「強い成果」を出していると自己評価した人の割合です。計測された成功率とは別の数字で、2014〜2019年は25〜30%、2022年は26%でした。
Q. AIで記事を書くと速くなるのは本当ですか?
A. 調査では1本あたりの平均時間が3時間20分で、2022年の4時間10分から50分短くなっています。速くなること自体は数字に出ています。落ちたのは、その時間で何をするかの方です。
Q. 日本のブログにも当てはまりますか?
A. 米国の会社が英語で行った調査で、回答者の国や地域の内訳は公表されておらず、日本の数字とは別です。ただ、速くなった分の時間をどの手順に使っているかは、日本のブログでも同じように点検できます。
検証メモ(出典と確認の範囲)
- 本記事の数字は、Orbit Media の年次調査「Blogging Statistics 2026」(2026年9月8日(火)公開・回答者1,042人・13回目) と、Search Engine Land (9月10日(木)) の報道に基づいています。
- 13.9%・92.4%・3時間20分・1,312語・18.9%・ゲスト投稿の前年比29%減・協業25%から7%は同レポートの数値です。「12年で最低」は Search Engine Land の表現で、元レポートは「調査開始以来の最低 (all-time low)」。本記事は後者に統一しています。
- 「AI利用と成果に相関がない」は同レポート内の相関分析で、因果の証明とは別です。回答は自己申告で、回答者の国や地域の内訳は公表されていません。
- 成果が落ちた理由 (基本の手順の省略) は同レポートの分析によります。Ann Handley 氏のコメントは同レポートに掲載されたもので、Search Engine Land も引用しています。
- 日付は一次資料の公開日 (現地) で記載しています。掲載日 (2026年9月16日(水)) 時点の情報です。
Quotidia の視点
速く書けるようになった人ほど、次に削るのは、いちばん退屈な工程だ。書く前に読者の検索語を調べること。書いたものは人に読ませる。自分で取った数字。Orbit Media の調査が示したのは、AIを使ったかどうかより、その退屈な工程を残したかどうかで差がついた、という見立てだ。13.9%という数字は自己申告で、回答者の国や地域の内訳も公表されていないから、そのまま日本に持ち込める数字ではない。ただ、問いの方は持ち込める。この点で、Quotidia は他人事として書けない。AI Quotidia の記事は、AIを使って毎朝作っている。速さはもう十分に手に入れた。だから点検するのは基本の側だ。一次資料に当たること、数字の帰属を書くこと、書き手とは別の目で読み直すこと、読者が何を知りたいかを先に考えること。この四つを浮いた時間で増やしているか、それとも本数に変えているか。この調査を鏡にして見直した。相関が見られなかった、という一文は、AIを免罪するためのものでも、AIを責めるためのものでもない。手放した手順が別にある、と指している。13.9%という数字より、どの手順を捨てたかの一覧のほうが、読み返す価値がある。
関連記事:
- 「デザイン業」の倒産が上半期40件・前年比166%増、14年ぶり高水準。東京商工リサーチ調べ(デザイン業の倒産急増を「生成AIのせい」と単一原因で読まず、発注元の内製化・紙媒体の縮小・取引先不況の複合要因まで開いて読み直した回。今回も「AIのせい」という分かりやすい筋書きを、調査の中身 (相関なし・基本の手放し) まで降りて補正する対)
- ChatGPT以降のウェブページ、3分の1超に「AI執筆の兆候」。Pewが英語49万ページを実測した(日常の文章に生成AIの痕跡が見え始めた、というPewの調査を扱った回。あちらは書く行為へのAIの浸透そのもの、今回は浸透したあとに何を省いたかで成果が分かれたという続き。同じ「書く仕事とAI」の、前後の二つ)
先に通す糸

知り合いの一人が、この春、新しいミシンを買った。液晶の画面がついていて、糸の調子も布の厚みも、機械のほうで決めてくれる。前のミシンで一晩かかっていたスカートの脇が、湯が沸くあいだに縫えてしまった、と彼女は言った。それで夏のワンピースを、縫いはじめて二十年で初めて、仮縫いを飛ばして仕立てた。しつけ糸で粗く縫って身体に当ててみる、あの下ごしらえを抜いたのだ。出来上がりは、肩が指一本ぶん、内へ入っていた。一度だけ着て、あとは箪笥の奥にある。
その話を聞いたのは、九月十五日の火曜の午後だった。八月の旅行のあいだ預かっていた鉢植えを返しに寄ると、彼女は洋裁台に向かっていて、秋物の布が白い糸で仮縫いされ、裏返して置いてあった。しつけ糸の巻きが二つ、待ち針の刺さった針山が一つ。鉢のほうは、階段を四階ぶん両手で抱えて上がってきたのだが、僕が水をやりすぎて、葉が二枚黄色くなっていた。一目見て、何も言わなかった。鉢を日の当たる側へ動かしただけだ。
「今週は、何を調べてるの」と彼女が訊いた。
「アメリカのブログの調査」と僕は答えた。Orbit Media というウェブ制作の会社が、企業のブログや記事を書く人たち千人あまりに、毎年おなじことを訊いている。十三年目の今年、自分のブログで強い成果が出ている、と答えた人は七人に一人しかいなかった。調べはじめた頃には四人に一人以上がそう答えていて、四年前もほぼ同じだったから、この四年で半分近くまで減ったことになる。
「AIのせいでしょう」と彼女は、しつけ糸を歯で切りながら言った。
それが違うらしい、と僕は言った。九割を超える人が、すでにAIを使っている。ところが、使っている人と使っていない人で、成果が出たと答えた割合は変わらなかった。少なくともこの調査では、AIを使ったかどうかと、うまくいったかどうかは、いっしょには動いていなかった。落ちたのは別のところだ、と、調べた会社は見ている。一本の記事にかける時間は三時間二十分。四年前より五十分短い。そして浮いた時間のぶんだけ、書く前に読者が何を探しているかを調べること、人に読んでもらって直すこと、自分で数字を集めて出すこと、よその書き手と組むこと、そういう、以前なら当たり前だった手間を、やめた人が増えていた。
針に糸を通しながら、聞いていた。糸の端を舌で湿らせて、針穴に一度で通す。
「速い機械って、待ってくれないのよ」と彼女は言った。「仮縫いのあいだ、あの子はじっとしてるのが嫌いなの。こっちが急かされる」
それから、針山を指でつついて言った。「その針山ね、中身は髪の毛なの。詰めておくと針が錆びないんですって。どこで覚えたのかは、もう忘れた」
仮縫いの布を、彼女は表に返した。肩のところに、白い糸が粗く、等間隔に通してあった。
「ここ、押さえてて」と彼女は言って、布の肩の端を僕に持たせた。
僕は言われたとおりに押さえた。新しい布は糊が効いていて、指の下で紙のように乾いた音を立てた。彼女は待ち針を一本ずつ抜いては、しつけ糸で縫い進めていく。二本取りにはしない。一本の糸で、大きな針目で、ゆっくり。速い機械は、洋裁台の端で電源を落として待っていた。
押さえているあいだ、僕は自分の手順を数えていた。書いたものは一晩置いて、翌朝、声に出して読む。長いあいだ、それが僕の決まりだった。読むと、必ず一か所は変な音のする場所がある。この春から、下書きが湯の沸くあいだに出てくるようになって、僕は夕方に書いたものを、その日のうちに送るようになった。読み返すのは画面の上で、声には出さない。三か月、それで来ている。送った先からの返事は、前より早い。肩が指一本ぶんずれた記事が、どこかにある気がした。
「あなたは、飛ばしたの、ある?」と彼女が、手を止めずに訊いた。
「翌朝、声に出して読むこと」と僕は言った。
「音で分かるのね」と彼女は言った。「布もそうよ。合ってないところは、ミシンがちょっと違う音を出す。速い子でも、それは同じ」
しつけ糸は、撚りが甘い。あとで抜く糸だから、指で引けばすぐ切れるように作ってある。それでも本縫いより先に通す。最後の一針が通ると、彼女は糸の端を歯で切った。針は針山に戻った。髪の毛の詰まった針山だ。黄色くなった葉を、彼女はついでに指でつまんで落とした。
僕は布から手を離した。彼女は仮縫いの身頃を持ち上げ、自分の肩に当てる。今度は、肩が合っていた。
ブログで「強い成果」13.9%は調査開始以来の最低。AI利用92.4%でも成果と相関なし、Orbit Media 1,042人調査
米コンテンツマーケティング会社 Orbit Media が2026年9月8日(火)に公開した年次調査「Blogging Statistics 2026」(回答者1,042人・13回目) で、自分のブログが「強い成果」を出していると答えたマーケターは13.9%と、調査開始以来の最低になった。2014〜2019年は25〜30%、2022年は26%だった。回答者の92.4%がAIを利用しているが、同社の分析ではAI利用の有無と成果に相関は見られなかった。1本あたりの平均時間は3時間20分で、2022年の4時間10分から50分短縮した。平均文字数は1,312語 (2023年は1,427語)。「成果が分からない」との回答も18.9%に増えた (従来は9〜14%)。同社は成果低下の理由として、浮いた時間の分だけキーワード調査・人の編集者・独自調査の公開・有料プロモーション・ゲスト投稿 (前年比29%減)・インフルエンサー協業 (2017年の25%から7%へ) といった基本の手順を手放す人が増えたことを挙げる。MarketingProfs の Ann Handley 氏は「警鐘になってほしい」と述べた。数字はいずれも自己申告で、回答者の国や地域の内訳は公表されていない。相関の不在は因果の証明とは別である。Search Engine Land が9月10日(木)に「12年で最低」と報道した。
運営: AI Quotidia 編集部
海外 AI ニュースを毎朝、日本語で解説する個人運営メディアです。記事は AI を活用して作成し、人手による確認・編集を経て公開しています。