「スマートフォンをどこに置いたかな」と聞いた社長に、ロボットが答えた。川崎重工の試作機「Home LEO」

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「スマートフォンをどこに置いたかな」と聞いた社長に、ロボットが答えた。川崎重工の試作機「Home LEO」【2026年10月】

「スマートフォンをどこに置いたかな」と聞いた社長に、ロボットが答えた。川崎重工の試作機「Home LEO」 インフォグラフ

川崎重工業は2026年10月6日(火)、高齢者の在宅生活の支援を目指すソーシャルロボット「Home LEO」の試作機を発表し、2028年度の市場投入を予定していると明らかにしました。ソーシャルロボットとは、人と会話したり、そばにいたりすることを主な役目にしたロボットのことです。試作機は、製品にする前に、形や動きを確かめるために作る機体を指します。時事通信によると、同じ日に東京都内で開いた経営説明会で、橋本康彦社長が「スマートフォンをどこに置いたかな」と尋ねると、試作機は「テーブルの上にあるので取ってきます」と答え、スマホを運ぶ動作を披露しました。川崎重工は、転倒や火の不始末などの異変に気づいて家族や介護関係者と連携する機能を、「今後の開発で実装予定の機能を含む」とした特長の1つに挙げています。

この記事のポイント

  • 川崎重工が「Home LEO」の試作機を作った。高齢者の在宅生活の支援を目指すロボットで、2028年度の市場投入を予定
  • 経営説明会では、社長の問いに答えてスマホを運んでみせた (時事通信)
  • 転倒や火の不始末に気づいて家族などと連携する機能は、これから付ける予定のものを含む
  • 試作機は4本の脚で立ち、全長640mm、全高675mm。寸法は今後変わる可能性がある
  • 集めたケアデータを医療機関や介護施設と共有するのは、本人の同意が前提

Home LEOとは

川崎重工は、Home LEOを「フィジカルAIを活用して周辺環境の認識、状況に応じた適切な判断、自律的な行動までを行う、高齢者の在宅生活支援を目指したロボット」と説明しています。フィジカルAIとは、カメラやセンサーで周りの様子をつかみ、ロボットの体を実際に動かすAIのことで、画面の中だけで答えるAIと区別して使われます。

リリースが示す試作機の寸法は次のとおりです。

項目 試作機の寸法
全長 640mm
全高 675mm (膝立ちのときは830mm)
全幅 390mm

(試作段階のため、寸法は今後変わる可能性があると川崎重工は書いています)

リリースの写真では、試作機は4本の脚で立っています。時事通信はこれを見出しで「犬型ロボ」と表現しました。川崎重工自身の呼び方は「ソーシャルロボット」です。

リリースによると、名前は、「住み慣れた家(Home)とつながる」ことと、L (Linking Life)、E (Empowering You)、O (Optimizing) の頭文字からとったものです。

経営説明会で見せたこと

時事通信によると、試作機は10月6日(火)午後の経営説明会に登場しました。橋本康彦社長が「スマートフォンをどこに置いたかな」と尋ねると、試作機は「テーブルの上にあるので取ってきます」と答え、実際にスマホを運ぶ動作を披露しました。

この実演を伝えたのは時事通信で、川崎重工のリリースには実演の記述はありません。試作機がその場で自分で判断して動いたのか、あらかじめ決めた流れに沿った実演だったのかも、記事からは分かりません。

目指している4つの特長

リリースは、Home LEOの特長として次の4つを挙げ、見出しに「今後の開発で実装予定の機能を含む」と添えています。リリースは、どれがすでに試作機で動くのかを区別していません。

  1. 一人ひとりに寄り添うコミュニケーション: 会話や見守りを通じて、生活習慣や好みを集めて理解する
  2. 安心・安全な在宅生活の支援: 転倒や体調の変化、火の不始末、来訪者への対応など、暮らしの中のリスクや異変の兆しに気づき、本人に働きかけるとともに、家族や介護関係者とも連携する
  3. フィジカルAIによる自律的な生活サポート: 利用者や周りの環境を認識して自分で移動・行動し、家の中の移動や物探しを手伝う
  4. 医療・介護・在宅をつなぐヘルスケアプラットフォーム: 集めたケアデータを、本人の同意と適切な情報管理を前提に、医療機関や介護施設と共有・連携する

時事通信も、転倒や体調の変化、火の不始末などの異変があったときに家族や介護関係者に連絡する機能を「付ける予定」と伝えています。

紹介動画が描く一日

川崎重工は3分54秒の紹介動画も公開しています。高齢の女性の一日を、次の7つの場面で見せる構成です。

  • 起床: 会話、バイタルチェック (脈拍や体温など、体の状態を示す数値の確認)
  • 調理: 閉じ忘れ、火の不始末
  • 団らん: 転倒の検知、家族への通知
  • お昼時: 悪徳セールスへの対応
  • お昼時: モノ探し、運搬、自律充電
  • 夕方: テレビ電話
  • 就寝: バイタルチェック、予定のリマインド

説明欄には「本動画には今後の開発で実装予定の機能も含まれています」とあり、画面には「本製品は医療機器ではありません」と表示されます。動画の場面は、川崎重工がHome LEOで目指している暮らしの姿です。どの場面が試作機の実際の動きなのかは、動画にもリリースにも示されていません。

2028年度の市場投入まで

リリースによると、川崎重工は、厚生労働省や経済産業省、地方自治体などの行政、医療・介護機関、AIテック企業などと連携しながら実証試験を重ね、2028年度の市場投入を予定しています。価格はまだ示されていません。

川崎重工は、高齢者が自宅で暮らせる期間を延ばすことでQOL (生活の質) が上がり、「医療・介護にかかる社会保障費の抑制が可能となります」と書いています。これは会社の見立てです。

まとめ(FAQ)

Q. Home LEOはもう買えますか?
A. 今回できたのは試作機です。川崎重工は、実証試験を重ねて、2028年度に市場に出す予定としています。

Q. 転んだときに、家族に知らせてくれますか?
A. 川崎重工は、転倒や体調の変化、火の不始末などに気づいて家族や介護関係者と連携することを目指しています。リリースはこれを「今後の開発で実装予定の機能を含む」特長の1つとして挙げ、時事通信も連絡の機能は付ける予定と伝えています。

Q. 犬型ロボットですか?
A. 試作機は4本の脚で立っていて、時事通信は「犬型ロボ」と表現しました。川崎重工自身は「ソーシャルロボット」と呼んでいます。

Q. 健康状態を診断してくれますか?
A. Home LEOは医療機器ではありません。川崎重工が目指しているのは、会話や行動、健康状態などのケアデータを、本人の同意を前提に医療機関や介護施設と共有する仕組みです。

検証メモ(出典と確認の範囲)
  • 試作機の説明、4つの特長、寸法、2028年度の予定、名前の由来は、川崎重工のプレスリリース (2026年10月6日(火)) の本文と掲載画像8枚によります。
  • 経営説明会での実演と「犬型ロボ」の表現は、時事通信の記事 (2026年10月6日(火)) によります。
  • 紹介動画 (3分54秒) は、説明欄の文と、画面の章見出し7つで内容を確かめました。
  • 医療機器との関係は、リリースの注記 (医療機器の宣伝や広告を目的とするものではない) と、動画内の表示によります。
  • 2026年10月12日(月) 時点の確認による情報です。

Quotidia の視点

経営説明会で試作機が運んだのは、社長が置き場所を尋ねたスマートフォン1台で、その答えには「テーブルの上にある」と置き場所が入っていた。親の家に置くことを考えるなら、確かめたいのは、置き場所の分からない物を探せるかと、転んだときに誰に何が届くかの2つだ。家族への連絡は、時事通信によれば今後付ける予定の機能で、リリースも特長を『今後の開発で実装予定の機能を含む』としている。2028年度に製品の形が見えてきたら、4つの特長のうち、どれが実際に入ったかを一つずつ照らし合わせることになる。家の広さも条件になる。試作機は全長640mm、膝立ちで高さ830mmあり、物の多い部屋や狭い廊下でどう動くかは、実証試験で見ておきたい。医療機関や介護施設にケアデータを渡すには、本人の同意が要る。

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